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ナンバーズの戦い 12

 

「久々に万魔殿に来てみれば、荒れていることよ」


 ゴモリーの言う通りだった。

 大廊下は、下級悪魔の死体で絨毯を形成しており、清掃用の腐食スライムを動員しても追いつかないほどである。


「やはり、魔界のカリスマであるサタン様を失った影響か。あの方は、存在しているだけで抑止力であったからな。この有り様では、迂闊に夫とバカンスにも行けぬな」


 ゴモリーは戦いが嫌いだ。

 そんな暇があれば、旦那であるパイモンと旅行に行く方が良い。

 恐妻ではあるが、彼女は彼女なりに夫を愛している。

 そう、彼女の人生ならぬ悪魔生には愛が必要不可欠であった。

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