346/632
ナンバーズの戦い 4
「確かに、マモン殿は魔界でも強大な能力を持つ大悪魔の一人だ。だが、貴様は虎の威を借る狐。ここで私の序列を上げる糧となってもらう!」
アンドロマリウスに充てがわれた亜空間は、ちょっとした闘技場になっていた。おそらくは建築に長けた悪魔に、空間をカスタマイズしてもらったのだろう。
側に控える黒狼のジルは、口からよだれを垂らし、アンドロマリウスにプレッシャーを与え続けている。
「君がこんなにも、おめでたい悪魔だとは思わなかったよ。序列至上主義者ってのは、どいつもこいつも似たり寄ったりなのかな? 兄の威光など、かさに来たつもりはないが、君如きに見くびられるのは癪に触る。よって君は、ギロチンの刑に処そう」
酷薄な笑みを浮かべたアンドラスは、アンドロマリウスの首を、すでに刈った幻想に酔いしれていた。




