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ナンバーズの戦い
魔界は荒れていた。
帝王サタンの死後、万魔殿では高位や上級悪魔らの暗殺が横行し、下位の悪魔らは徒党を組んで、72柱の魔神――いわゆる、ナンバーズの序列の席次を奪うために奔走した。
が、ナンバーズや魔神らを束ねる八大魔王衆への襲撃は、ことごとく失敗に終わった。
魔王衆の一人、猛虎将軍マルコキアスに言わせると有象無象が幾ら集まろうとも、一騎当千の魔神に敵うわけがないとのことだ。
レベル差は天と地ほども離れており、高位悪魔は邪眼状態となることで、文字通り眼力で下位悪魔らを消滅することが出来た。
そんな中、ナンバーズ同士の争いも密かに行なわれていた。
序列63位のアンドラスと、72位のアンドロマリウスの二人である。
アンドラスはフクロウの頭部を持つ、半裸の天使の姿をしたレイピア使いの悪魔で、生首コレクターでもある。
一方、アンドロマリウスは黒髪の巻き毛の美青年で、背には漆黒のカラスの羽根と足首には鳥の鉤爪を有した悪魔である。




