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幕間――奪いし者、奪われし者 13
俺様は、今回はオセに任せることにした。
機動力ならば、グリフォンの方が上だろう。
堕天した悪魔は、天使であった頃の過去を忘れるように翼を失くしてしまう。
ゆえに戦闘での足場を確保するために、魔力の塊を使用する。疑似的な足場を作り、戦闘を展開する。
スキルを持たないオセだが、奴ならば覚醒して、この俺様の右腕になってくれるだろう。
能力が芽生えるのは、やはり追い込まれてからだろうな。
オセの忠誠心だけでも、側に置いておく理由には充分だ。
だからこそ、奴にはギフトに目覚めてほしい。そして、名実共に俺様の側近となり、魔界を統治する手助けをしてもらいたい。




