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幕間――奪いし者、奪われし者 10
「で、何してけつかるんですかグフ様」
あたしは怒りを押し殺す。
主だけど、癪にさわることをされたら、キレても良いよね。
グフの野郎ってば、くちばしであろうことか、この斧リサをツンツンしやがりやがって。
「いゃあ、口もついてないのに、どこから声出てるんかなって」
「ふふん。それはあたしが類まれなるインテリジェンス・ウエポンだからなのですよ!」
もし、リサが人型ならばドヤ顔をしていただろう。
「それにしても、ジイちゃんが気がかりだな」
と、心配そうにグフ。
「自分から話振っといて、無視かい!」
こうして、ティル・ナ・ノーグにボケとツッコミが誕生したのだった。




