320/632
幕間――奪いし者、奪われし者 8
アベル草原に降り立った悪意は、三人の悪魔の形をしていた。
一人ずつなら、脅威ではないが三人まとめて攻められたら、いかなグリフォンの王のわしとて、勝てぬだろう。
特に、金髪緑眼の悪魔からは凄まじい魔力と殺意とをひしひしと感じる。
奴めが、リーダーであろう。
この場に、グフがいなくて良かった。
死ぬのは、わし一人で充分よ。
わしは、三人の悪魔の眼前に降り立つ。
一応、理由くらいは聞かねばな。
「そこの三人――魔界の悪魔と見受けるが、ティル・ナ・ノーグには、いかなる理由で参った?」




