一週間前の出来事 5
その時、どこからともなくクールな声が降ってきた。
スタッと軽やかに、京子とヘルハウンドの間に降り立ったのは、一匹の黒猫だった。
京子は知らなかったが、妖精界ではケット・シーと呼ぶ下級の猫妖精であった。
やや尖った左耳には黄金色のリングのピアスが三つあり、首元には赤いペイズリー柄のスカーフをしている。さらにポンチョのような濃紺の短めのマントと、剣帯をつけていた。
ルー・フーリンはフラガラッハを構え、地獄の猟犬と対峙する。
「どうやら、野良犬が人間界に迷い込んだらしいな」
「貴様は何者だ!? 只のケット・シーではあるまい?」
「さぁてな、王族な猫とでも名乗っておこうか」
ヘルハウンドの誰何に、黒猫はとぼけた答えをした。
ルー・フーリンは妖精王の息子で、王子という身分ではあるが、他の妖精部族はケット・シーを次代の後継者たる王太子には考えていない。
よって、ルーは単に王族という点だけを強調した。
身分など瑣末なことだ。
能力のある者が王座に就けば良い。
黒猫は父であるクー・フーリンの治世が一日でも長く続くよう、願ってやまない。
王子として活動するのも、父であるクー・フーリンのためだ。
仮に妖精王を継ぐことになっても、クー・フーリンはルーの相談役として、側にいてもらう。
完璧なプランだ。
「ケット・シーの王族だと? 笑わせる! 我の邪魔をするならば、貴様もエサとして食らうてやろう」
突如、魔犬が黒猫に襲いかかった!
ルーはフラガラッハを一閃。
カツン、と乾いた音を立ててヘルハウンドの一対の剣歯がアスファルトに落ちた。
地獄の猟犬の口からは血がぼとぼとと滴り落ちている。
グオォ!
苦悶の表情を浮かべるヘルハウンド。
「今宵のフラガラッハは良く斬れる」
黒猫は相棒の斬れ味に満足していたのだった。
何とか2話投稿できた。
今日の更新音楽は、フィル・コリンズ&フィリップ・ベイリーの
イージー・ラヴァーでした。
寝る前に、ニューキッズ・オン・ザ・ブロックのゲームスでも聴きます。
ゲームか。
モンハンやりたいな(笑)
オフ会いくくらい好きです。サブナックの刀の名前を
刃王牙にしたかった(笑)
大剣使いのグインです。
強殖装甲ガイバーみたいな鎧を作りました。
ギガンティック・バージョンですね。




