幕間――八大魔王衆 14
何だ、あの禍々しい霧は!?
ブロケルのスキルか?
事前情報にないということは、この瞬間にスキルに目覚めたということかっ!
憎らしいアスタロトの従者め。
このガルーダのスキルで、蹴散らしてくれる。
私は縦横無尽に飛び回り、火炎弾を散弾にして放つ。
ここは図書館内だが、防炎結界の〈ムスペルヘイム〉を発動しているので、フィールドにダメージはない。でなくば、こんな場所で火炎の魔法を連発しない。
出来得るなら、ガルーダの仮面の効力が切れる前に、小娘を処分しておきたい。
火炎の散弾を喰らったブロケルが立ち尽くす。
仕留めたか!?
「熱く……ない!? 熱くないです!」
飛び跳ねて、ダメージがないことを強調するブロケル。
あの紫の霧が、私の攻撃を無効化しているのか?
良いだろう。
対魔王衆までは、温存しておきたかったのだがな。
まさか、この場面で切り札を使わされるとは。
意外に、あの小娘は強いのかも知れぬ。
だが、アスタロトの子飼い程度に敗北するようでは、一生、魔王衆に手は届かぬだろう。
「褒めてやろう。序列9位の私に、ジョーカーを切らせたことを! ここからは、私も本気だ。とくと味わえ。魔獣変、ダンタリオン!!」




