妖精姫のケーリュケイオン 3
作者
このお話は、作者の魔界3部作の一つであります。
いつか、『黄金色のアリエル』と『ソロモンの王』をお見せできたらな、と思っています。
ちなみにアリエルは『神の獅子』という意味があります。人魚姫は、関係ございません。
そして、ソロモンはヘブライ語で『平和』だったかと。
ファンタジー用語もバリバリ使って行くので、お付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
作者としては、天使と悪魔の純粋な戦いを描きたいと思ってます。
「かつての朋友カイイリエルと共闘とはな」
獅子頭の悪魔・サブナックが可笑しそうに笑った。
魔界では剣の能力一つで、のし上がってきた武人である。天使であった頃は、戦闘のエリート部隊である裁天使団に入隊することを目標に日夜、剣の腕を磨く日々だったがカイイリエルに、その座を奪われたサブナックは、嫉妬のあまり堕天するに至った。
軍神メタトロンに、巳れの剣の腕の未熟さを指摘され、堕天使から悪魔へと成り下がった獅子頭の剣士は、運命のいたずらに翻弄されていた。
堕天使とは一時的に神への信仰を失った反逆者だが、悪魔は神に対する信仰を永久に失った敵対者である。
一人は悪魔に裁きの鉄槌を下す天使となり、今一人は稲妻侯と異名を持つ悪魔となった。もし、メタトロンに選ばれていたのがサブナックであったなら、立場は逆転していただろうか。
(詮無いことだ)
サブナックは天使であろうが悪魔だろうが、どちらでも構わなかった。彼にとって大切なのは剣の道を極めるという一事に尽きるのだから。ゆえに彼は人間界の沖田総司に天然理心流の教えを請うた。なぜなら、彼の放つ二段突きに魅了されたから。
サブナックは剣の道を極めるという目標があるが、魔神バールゼフォンの側近であるバルバトスは別段、弓に対する思い入れはない。遠隔武器の一つであり、ただ単にその扱いが秀でていただけだ。
魔獣グリフォンの皮をなめした上衣に身を包み、美髯を蓄えた偉丈夫の姿を取る悪魔こそ、72柱の魔神――序列八位のバルバトスである。が、魔界は常に下剋上であり、序列はすぐに入れ替わる。現在のバルバトスの順位は上位八名で構成される八大魔王衆よりも下だ。
彼らの主であるバールゼフォンは魔神王らを束ねる魔王衆の一角であり、ティル・ナ・ノーグへと侵入する任務を与えた人物だ。
だが、人間界へ現出した悪魔二人を待ち受けていたのはリンドブルムの出現というイレギュラーな事態だった。
鎧が如き外皮をまとうリンドブルムは、凄まじいまでの防御力を誇る。その上、攻撃力は全竜種の中でもトップクラスである。
最強の矛と盾を兼ね備えた邪竜を、突如現れた美貌のハイエルフは十秒だけ足止めするという。わずかな数秒の間だけだが、歴戦の戦士にとっては十分な時間だ。
「申し遅れたが、私の名はエディン。そこなルー・フーリンの母である!」
短めですいません。
短文投稿で、ご勘弁を。
ブクマありがとうございます。
多少、更新スピードが早くなります。
妖精王クー・フーリンはゲームめがてんのイメージで。
フェ○トのランサーのイメージは全くありません。