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幕間――ルー・フーリン強化週間 30
結構、目立ってしまったな。
でも、猫だから大丈夫。
誰も猫に、ティル・ナ・ノーグの行く末を任せようとは思わないよね?
よね?
ふいに、トロールのゼムが俺の方を向く。
「あ、ありががとござい、ました」
噛んでる。噛んでる。
アリガガって何だよ。
盗賊でも、出てくんのかって、NO!!
こいつ、片膝つきやがった。
いやな予感しかしない。
予感しかない。
ようかんしかない!
何のこっちゃ?
「ル、ル、ルーさまにオデのチュウセイを!」
やってくれたな、ベイビー!
忠誠心の欠片もなさそうな、トロール族が臣下の礼を取った!
妖精王である父上にさえ、横暴な態度を崩さないトロールが、この俺に頭を下げた。
つまり、俺に王の資質があることを証明してしまったのだ。
この事実は、他のエルフ族長でさえ認めずにはいられないだろう。
とほほ。
となりのとほほ。
何のこっちゃ?
ブクマ、評価、クレーム、いいね!
お待ちしてマスタードはカラシ!




