296/632
幕間――ルー・フーリン強化週間 29
「タスラム」
俺はしっぽで、魔力弾であるタスラムを生成し、ヤニームに向けて放つ!
後方のシュルリットの双剣は、本気のフラガラッハの一撃で粉砕し、猫パンチならぬ猫キックをお見舞いする!
ミアーハの呪文は、四肢欠損でも魔力量が多ければ瞬時に、再生することが可能だ。
ヤニームとシュルリットは闘技場の壁にぶつかり、仲良くおねんねしている。
こうして俺は、治療と試合をこなしたのだった。
やや遅れて、審判が右手を上げ、俺の勝利を宣言する。
「しょ、勝者っ、ルー・フーリン殿下!」
ギャラリーからは、鳴り止まない拍手が送られ、父上は笑顔を浮かべ、俺は大満足だ。
トロールが自身に生えた左腕を見て、ビックリしている。それもそのはず、この俺が腕をつなげたのではなく、生やしたのだから。
物言わぬオブジェと化したトロールの左腕が転がっている。
勝利の記念に、部屋に飾るか?
よそう、不気味なだけだ。
これで、王子としての仕事は果たした。
はず!
旦那、哀れなアッシにブックマークを
めぐんでくだせぇ!
更新意欲が湧くんでさぁ!




