幕間――ルー・フーリン強化週間 28
ザシュ!
という小気味良い音と共に、トロールの左腕が宙を舞った。
力加減を間違えた俺が、ゼムの左腕を切り上げてしまったのだ!
ギュアアアア!!
奴の、耳をつんざく絶叫が闘技場内に響き渡る。
凶悪な顔で、大粒の涙を流しながらのギャン泣きである。
あー、もう、罪悪感ハンパねぇ!
大斧を取り落とす、トロール。
もう、俺の勝ちで良くね?
試合中断の合図もなしとか、鬼か!
仕方ない。
「そこのトロール、腕ぐらいつけてやるから泣き止め!」
「ウワァァァン、本当だか!?」
泣きながら訊いてくる、トロール。
「早く、床に仰向けになれ。俺の気が変わらない内にな」
患者ゼム君は、速攻で仰向けになった。
俺は片膝をつき、左手で超級回復呪文のミアーハを唱え出す。
これ幸いと、前方からヤニームが特攻を仕掛け、後方からはシュルリットが双剣で襲撃する。
だが、俺はあわてない。
「タスラム」
その一言で、勝敗は決したのだった。
マンガ 成恵の世界 の 丸川トモヒロ先生 の
ご冥福を祈ります。m(_ _)m
地球育ちの宇宙人と地球人のハーフ成恵と、地球人の和人くんとのラブコメ。




