幕間――八大魔王衆 9
蒼い仮面を被る。
今回、選んだのは神の鷲たるガルーダの仮面だ。
仏教では迦楼羅とも呼ぶ、天竜八部衆の一人だ。
これで、天空を自在に飛び回れるだろう。
ブロケルの小娘は、手詰まりと言った感じか。
奴の攻撃は、水を圧縮したものらしいが、それだけで、このダンタリアンにケンカを売るとは笑止千万というもの。
事前情報では、摂取したスイーツから魔力を引き出せるらしい。
ふざけた能力だ。
この私は、身を削って戦っているというのに。
だが、それも魔王衆になるまでの話だ。
――魔界の帝王で、あらせられるサタン様が認めし、八人の魔王たち。
マモンやバルベリトなどのメンバー増減があったが、基本は固定の魔王らとなる。
中でも、ベールゼブブ卿とマルコキアス将軍は、私の目標でもある。
卿と将軍は、自身の才覚で魔王衆にまで登りつめた尊敬すべき大悪魔だ。
私も、あの実力者揃いの仲間入りを果たすのかと思うと、胸がザワついてしょうがない。
だからこそ、アスタロトが許せない。
サタン様の愛人の地位を利用し、魔王衆となり、スカル・キャッスルを下賜された。
これが自身の実力ならば、文句はない。
さらに腹立たしいのは、従者のブロケルを私に差し向けたことだ。
なめた真似をしてくれる。
アスタロトの魔王衆の座は、このダンタリアンがいただく!
そして、ブロケルの首をスカル・キャッスルに送りつけてやるのだ。




