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幕間――剣帝と将軍 5
魔界――万魔殿、虚無回廊。
ベールゼブブは不機嫌そうに歩いていた。
最近、バルバトスの単独行動が目に余る。支配欲の強いベールゼブブは、常に全体像を把握したがった。
進化し続けるベルゼビュートに若干の脅威を覚え、その母親の裏工作に目を光らせる。
バールゼフォンとして、ティル・ナ・ノーグへの侵攻の準備に怠りはない。
が、他の魔王衆の動向が分からない。
最強のカードを持っているはずなのに、胸騒ぎがしてたまらない。
魔界を手中に収めるのは、蝿の王でなければならぬのだ。
そんな折り、前方から悪魔の一団がやってくるのが見えた。
序列48位の、牛頭有翼の悪魔ハゲンティである。
好戦的な視線を向けられたベールゼブブは、ニヤリと笑った。
苛立ちをぶつける相手の出現に、思わず笑ってしまったのだった。
すいません。
長いこと、更新してませんでした。
職場異動の話やら、何やらで更新する精神状態ではなかったので、申し訳――。
今も落ち着いたわけではないのですが、スキマ時間があれば更新したいと思います。




