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幕間――奪いし者、奪われし者 5
洞窟内は、緊張でピリピリしてる。
私こと斧リサは、壁に飾られたままだ。
ここまでの経緯をざっくり言うと――
鍛冶師ゴブニュ様に鍛えられたインテリジェンス・ウエポン――それが私。
え!?
なんじゃそりゃって?
知性ある武器で、妖精や悪魔の魂を封じ込めた業物。
つまり、しゃべる武器で、精霊や妖精を封印したウエポンは、強力な業物として生まれ変わるの。
封印された種族で、性能に特色が出るわ。
悪魔なんかは攻撃力アップとか。
妖精は切れ味が上がったり、魔法と剣を一体化させたりとか。
私は、風精霊の加護ね。
何で、かしら?
ともかく、ゴブニュ様の弟子のイルマ様が私を届けてくれて、現在に至るのだけど、主のグフ様はグリフォンだから、私が使えないという――って、なんじゃそりゃ!?
私の存在理由って、何なのよう!!
いずれ、必要になる時が来るって、いつの話よ!
OH・NO!!




