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幕間――邪神パズズ 2

 地球とは、邪神にとっても高次元の神々にとっても有用な場所だ。

 拠点としやすく、何よりも重要なエサ場である。

 宇宙的にも安定したラグランジュ・ポイントの中にあり、何より神聖物質(セイクリッドマター)暗黒物質(ダークマター)が絶妙に混ざり合った場所となっている。

 邪神は、暗黒物質から放出される悪想念を食事とする存在ゆえ、地球に惹かれる。

 そして、また高次元の神々も神聖物質から放出される善き想念を吸収することによって、生き永らえている。

 元々、わしら邪神は不定形なスライムのような存在だった。

 わしと連れ合いが地球に降り立った頃、その地は疫病が蔓延する場所であった。人々は恐れから、邪悪なる存在をイメージした。即ち、捕食者である獅子と、獲物を狙う猛禽と、毒を注入するサソリの融合した想念が、わしらの存在としての進化に方向性を与えたのだ。

 こうして、わしは邪神パズズとなり、人類に害を与える魔物と化した。

 連れ合いも邪神の妻、ラマシュトゥと呼ばれるようになり、疫病を撒き散らした。

 そこへ、奴が現れた。

 ハッティの嵐の神・クォザフ。

 彼奴(きゃつ)は、わしらの前に立ちはだかり、疫病の蔓延を阻止せんとした。

 眷族を生み出していた、わしらは軍勢となってクォザフを強襲したが、結果は連れ合いを亡くすこととなった。

 ダメージを負ったわしは、地下へと潜り、クォザフに復讐を誓った。

 妻、ラマシュトゥと眷族の子らを失ったわしは、喪失感を感じていた。

 愛していたのか、悲しかったのかも分からない。

 愛や悲しみという概念が存在することを、初めて知ったのだから。

 ただ、両の目からは、水滴がとめどなく流れていたことを覚えている。

 クォザフに一矢報いるためにも、アスタロトを利用し、かつての邪神としての能力を取り戻さなければならない。

 死んで行った、妻や子らのためにも!






















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