表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

270/632

幕間――大悪魔アスタロト 3

 

「して、エリザベートよ。これほどの大掛かりな儀式を行使して、私に何を望む?」


 血まみれのバスタブから出たエリザベートは、無造作に赤いバスローブを巻きつけ、私の元へ歩いて来る。


「我が欲するは、永遠の若さと赤子のようなみずみずしい肌!」


 なるほど、美に取り憑かれた年増の戯言か。

 永遠の若さなど、どこにも存在しはしない。

 我ら悪魔は例外だが。


「そなたは十分に美しいと思うが?」


 決して、醜くはない。

 だが、心の汚れがエリザベートに現れている。


「世辞は良い。分かるのだ。自身が醜く、老いさらばえて行くのが。人の身では、どうにもならぬ。ゆえに、悪魔――そなたを喚んだのだ。私の魂と引き換えに傾国の美貌を!!」


「我が名は、アスタロト。エリザベート――貴様の願い、叶えてやろう」


 叶えてやろう。

 悪魔の流儀で。


「本当か、アスタロトとやら? 私に世界一の美貌を与えてくれるか!?」


「もちろんだ。貴様が、相応の代価を払うなら、美貌だろうが金銀財宝だろうが、思いのままだ」


 ニヤリと私は笑う。

 人間を手玉にとるのは、面白い。

 口約束をちらつかせるだけで、その気になる。

 愚かで、愛すべき人間どもよ。

 アスタロトとの契約は、高くつくと知れ!






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ