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幕間――大天使フォルカス 2

 天界を離れた天使らは加速度的に堕天して行き、悪魔となった。

 人間界に降りることで、娯楽やゲームと言った概念を学んだ天使たちは同朋を殺害することを娯楽とし、殺した数を競うことをゲームとした。

 一部の天使らは、己れたちの犯した罪に(おのの)き、自らの生命を絶った。

 天界にも戻れず、魔界にも馴染めない堕天使は集団で亜空間を創り、移り住んだ。ここを拠点とし、神が自らの身体の一部と天使たちの遺体で創った世界がティル・ナ・ノーグである。

 移住した天使は妖精界で変質し、亜神や妖精となった。そして、神は堕天使を天使に戻すための世界を創ったのだが、結果的に妖精界に新たな種を増やしただけだった。

 幾千幾万もの天使を創造した神の能力は弱体化しており、堕天使を天使に戻すことは叶わなかった。

 特に、神への信仰を完全に捨て去った悪魔どもは反逆者となり、神の戦士(イスラエル)たちとの抗争にのめり込んで行った。新たに芽生えたギフトと呼ぶ能力で、天界と戦争することに楽しさを見い出したのだった。

 流されるままに堕天したワシは、とにかく安住の地が欲しかった。

 魂が安らげる場所。

 かつての同朋に追われ、ワシは一時的に人間界に身を隠した。

 白髪の老人の姿に変身したワシは、サンタクロースなる人物に見た目が似てるらしく、アルバイトをしないかと声を掛けられた。

 そのアルバイトなる物が何かは分からなかったが、守護対象である人間をリサーチするのに丁度良かったので引き受けてみることにした。

 その時のワシは気づいていなかった。

 移界と呼ぶ現象に巻き込まれていたことに。








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