幕間――折れぬ魔剣 7
そうこうしている内に、リザードマンのリオレスとオークのアルカンサスも駆けつけ、ビフロンズを捜索することになった。
一体、何が起こったのか!?
死体が消え失せる、ということは誰か協力者が居たか、瀕死の重傷で身を隠しているかの二択だろう。血の跡がないので前者の可能性が高い。
待てよ。
何らかの能力で、逃亡を図ったのかも知れぬ。
ビフロンズの透明化までは、看破した。しかし、ギフトを使用されては、捜索が困難になるやも。
私のギフト〈ランサー・エボル〉で、侵入者の心臓を貫いたまでは良かったが、持ち場を離れたのはまずかったか。
しかし、瀕死のはずのビフロンズが一瞬にして、消え失せたのは解せない。
広大な宝物庫だが、いずれは奴も見つかるだろう。
まさか、天井に隠れていたりはしないか?
何気に上方を見ると、そこには件のビフロンズが居た。奴め、吊り下がった照明に、足を絡ませて息を潜めていたのだ。
照明は地面から三十メートルほども上だ。どうやって、跳躍したかは知らないがあの体勢では、すぐに力尽きるだろう。
「降りて来い、ビフロンズ。あの世へ、送ってやる」
「ケヒヒ、言われずとも降りて来てやるさ!」
ビフロンズは吊り下がった照明を振り子のように揺らすと物凄いスピードで、私へと肉薄する。
ビフロンズが魔剣アラストールを私の目に突き立て、串刺しにした時点で、意識が失われて行った。
「本日の目玉は、流星刺しってか!」




