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幕間――八大魔王衆 4

 一方、万魔殿――


 バールゼフォンに与えられた宮殿の如き空間。

 その玉座に主である彼の姿はなかった。

 規則的に建つ巨大な円柱のみが存在する場所に、一匹の蝿が迷い込み、玉座の肘掛けに止まったと思われた瞬間――

 オールバックにスーツ姿のベールゼブブが、そこに居た。


「やれやれ、一人二役とは忙しいものだな」


 ベールゼブブが指をパチリと鳴らすと、次の瞬間には軍服を着たバールゼフォンが玉座に、ふんぞり返っていた。

 高位の悪魔は、自身の指に極細の魔法陣を書き込み、鳴らすことによって任意の魔法を発動できるようカスタマイズしている者が、ほとんどである。

 白粉彫(おしろいぼ)りという、見えないタトゥーを刻んでおり、体温が上昇した時のみ、その姿を現す。

 どうやら、発動したのは変身の魔法のようだ。


「べ、ベールゼブブ殿がバールゼフォン様に変わった!?」


 百メートルほど先の円柱から、牛頭のミノタウロス型の悪魔が現れた。


「チッ! ネズミが、こそこそと何を嗅ぎ回っている!」


 舌打ちするバールゼフォン。

 本来、ベールゼブブはバールゼフォンと敵対する勢力である。

 今現在、正体をバラすのは得策ではない。

 魔界は、蝿の王の掌の上で踊るのだ。


「出て来い、バルバトス。仕事だ」


 バールゼフォンが指をパチリと鳴らす。

 今度は若干、鳴らすスピードを遅らせた。

 魔法陣をずらすことによって、複数の魔法を発動できるようにカスタマイズしてあるのだ。

 軍服の悪魔の影から、狩人の悪魔・バルバトスが現れ出でた。

 召喚の魔法が発動したのだった。







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