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幕間――八大魔王衆 2

 

 魔界の住人ならば、誰もが八大魔王衆の一員になりたいと願う。

 私こと、ダンタリアンもその一人。

 地道に序列を上げ、ラクダの姿をした悪魔パイモンを下した私は、やっと序列九位にまでこぎつけた。

 が、アスタロトの言では魔王衆と他の72柱の魔神らとでは、実力に天と地ほどの開きがあるという。

 何をバカな――あの、色じかけしか能がないアスタロトでさえ、魔王衆であるというのに――この私がメンバーに選ばれぬわけがない。

 帝王サタンの選りすぐり――それが、八大魔王衆なのだが、中には強欲の悪魔マモンのように、軍隊を私物化した問題児もいる。奴は高価な宝石類をコレクションしているので、その一部をサタンに献上し、魔王衆の地位に就いたのだろう。つまり、抜け道は幾らでも存在するのだ。

 叡智の悪魔でもある私は、魔界図書館の司書であり管理者だが抗争好きな悪魔らが、ここへ来た試しはない。

 私は禁書を閲覧可能だ。

 邪悪な呪法を記した、ネクロノミコンや禁断の魔法が列挙されたイロン写本。

 残念ながら、アッピンの書だけは欠品している。

 これらの書物の力で、私は魔王衆入りを果たす。

 何人にも、邪魔はさせない。

 ギフト〈ペルソナ〉の能力も最大限まで、引き出しているはずだ。

 仮面を被ることによって、発動する能力・ペルソナ。

 人間界では、ガラスで出来た千の仮面を付け替える役者が存在するという。

 本当だろうか?

 私のペルソナは仮面に込められた思いを増幅し、顕現させる。

 隠し玉もある。

 魔王衆に王手をかけている実感がある。

 殿堂入りを果たし、いずれは魔界の支配者になる。そのためには、アッピンの本を手に入れることが急務だ。

 なぜなら、それを入手した者は魔界の半分を手に入れたと言っても過言はないのだから。


 バターン!


 図書館の入口が、何者かによって開かれた。

 見ると、そこには序列四九位の悪魔にして、アスタロトの飼い犬であるブロケルが居た。

 ぶしつけなメイドめ――殺されたいのか?

 幸い、サタンの死で万魔殿は混乱している。

 悪魔一人を、人知れず始末するくらいにはカオスな状況なはずだ。

 それに、あのメイドは虫が好かない。

 殺す理由には、十分だ。











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