幕間――剣帝と将軍 3
「それにしても、ダンタリアンにサブナックか。我らも、うかうかしておれぬな。陰の実力者とは、いつの時代にも存在するもの――噂では、ミシャンドラと呼ぶ半人半魔がかなり強いらしい」
と、マルコキアス。
「俺りゃあ、それよりもベールゼブブとアスタロトの二人が、まだまだ実力を隠してるって気がするがな」
「貴公、まだアスタロトの尻を追いかけているのか!?」
呆れたようにマルコキアス。
「俺様は色欲の魔神だぜ。美人のアスタロトに惹かれるのは本能さ」
「だが、奴は男でもある半陰陽だぞ?」
「関係ねぇよ。女に変化させりゃ良い。させなくても、プレイとしちゃアリかもな」
「アスモデウス――貴公の性的嗜好は理解しかねる」
「理解してもらおうとは思わぬさ。目の前に尻があれば追いかける。揺れてたら、なお結構! 知っているか、マルコキアス。人間界では、揺れる尻を題材にした曲があるんだぜ」
「まったく、人間界とはとんでもないところらしいな」
「アスタロトのケツは、触り心地が良さそうだな」
「そんな下品な会話をするために、我を呼び出したのではあるまい?」
「そうだったな。剣の腕がなまるから、お前さんに相手してもらいたいと思ってたとこだ。に、してもアスタロトのケツを叩いたら、さぞかし良い音がするんだろうな」
性的なプレイの一環として、女性の尻を叩く行為を、スパンキングという。
アスモデウスは、性にまつわることなら何でも探究する。色欲の魔神は、伊達ではないのだ。




