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幕間――剣帝と将軍

 

 魔界――万魔殿。


 地下にある魔王衆に割り当てられた亜空間の一つに、獣人と幽鬼のような悪魔が対峙していた。

 片方はギラリと光る黒曜石にも似た武骨な造りをした大剣を翳す獣人系の悪魔。

 もう片方は、本来の姿ではない、剣を扱うためにカスタマイズした身体を持つ、炎をまとった大剣を構えた人型の悪魔。

 魔界では、将軍と剣帝として知られる高位の悪魔二人だ。

 猛虎将軍マルコキアス――虎の姿をした獣人で、背中には力天使であった頃の名残りの翼があり、下半身は竜の鱗に覆われている。魔界で唯一、将軍の位を持つ傑物だ。相棒の大剣は、漆黒の暴虐〈タイラント〉と呼ばれている。

 そして、剣帝アスモダイ――正確にはアスモデウスだが、人型の姿を取る時は前者の名で呼ばれる。こちらは炎獄の大剣イフリートの保持者だ。


「アスモデウス――つい先日、サタン様主催の御前試合で、一介の悪魔に膝をつかされたそうだな?」


 マルコキアスが訊いた。

 先日と言ったが、軽く数年は経っている。悠久の時を生きる魔神の時間の感覚は、かなり狂っているらしい。


「ああ、何と言ったか――サブナック。そう、サブナックだ。奴め、小癪にも攻撃の一瞬、魔王衆レベルまで、戦闘力を上げやがった。その一回きりだが、久しぶりに冷や汗をかいた。まぁ、まだ俺様には勝てないがな」


 アスモダイは、嬉しそうにニヤリと笑う。今の彼の姿は、黒髪の幽鬼のようだ。肌は白く、それが際立つかのような漆黒の鎧を身にまとっている。






















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