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幕間――孤独なロン

 

 ティル・ナ・ノーグから人間界に向かう前、ルーは奇妙な夢を見た。

 孤独な蟻の夢である。

 女王アリがいるような巣で働くアリではない。

 単体のアリで、身体が異様に細長く、白銀色だ。

 ベッドで眠る黒猫に、アリは話しかけてきた。


「寂しいよ、王様」


「ボクは孤独で、おかしくなりそうだよ」


「早く、ボクを思い出して王様!」


(意識が混濁してるのか、俺は!? 目の前に細長い蟻がいて、話しかけてきている)


「王様、やっと目を開けたね」


 嬉しそうにアリ。


「ちょっと待て! お前とは初対面のはずだが?」


「王様が忘れてるだけだよ」


「それに俺は王子であって、王様ではない」


「ふふ、猫に転生したから前世のことを忘れたんだね」


「前世――俺は前世で何者だったのだ?」


「教えてあげないよ」


「敵ではなさそうだが、お前は得体が知れん。何者だ!?」


 黒猫はフラガラッハを抜いた。


「この奇妙な夢から出るためには、お前を斬った方が早いか?」


 駆け引きはいらない。

 情報が欲しい。

 眼前のアリが、この夢を支配しているなら、倒さなければならない。


「ふふっ、フラガラッハ如きじゃボクを傷つけられないよ」


「俺の相棒は、ドラゴンすら斬り裂くぞ」


「下等なドラゴンなら、ありえるかもね。ワイバーンとか」


「普通の竜種のウロコでも、ダイヤを凌ぐ強度があるのだぞ」


「人間界に現存する金属や鉱石ぐらいじゃ、ボクに傷一つ、つけられないよ」


「ほう。俺のフラガラッハの一撃に耐えられたなら、お前の話が本当だと認めよう」


「好きにしたら良いよ。それより、フラガラッハの方が折れちゃわない?」


「ぬかせっ!」


 ルー渾身の一撃がアリに炸裂する!


 ギィン!


 が、アリの言う通り、弾かれたのはフラガラッハだった。


「あり得ん」


「アリだけにね。勝負アリ?」


 アリが触覚を震わせて笑う。


「あり得るのか?」


「アリだけにね」


「ボクを殺すつもりなら、聖遺物が封印された剣か、聖剣のどちらかを用意しないと」


「そろそろ、目覚める時間が来たようだよ。早くボクを――ロンを思い出して。もう、フラガラッハ程度じゃ立ち打ちできない敵が現れるから!」


 ガバっと、ルーは起き上がったが、まだ眠かったので、毛布を被って寝てしまい、それきり夢のことは思い出さなかった。

 ロンならばきっと、


「アリ得ない! そんなのアリ!?」


 と、騒いでいたことだろう。






ぶくぶく茶釜じゃない、ブクマお待ちしてます。


更新速度アップするかもかもかもかもかもかもカモ~ン!


ではでは(ΦωΦ)ニヤリ


今日は、シンプル・プランのシャラップ! を聴いて、気分を上げよう!


スタドラ風なら、


「さあ、上げてこうかっ!」









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