幕間――ルー・フーリン強化週間 24
『お前が、俺の命を狙ったのは分かっている。それは構わない。お前如きでは、俺に傷一つつけることはできぬ』
ラニーサは、怯えていた。
王族殺害は下手すれば彼女の一族郎党、処刑されても仕方がない行為だ。
だからこそ、戦闘中の不慮の事故を装うとしたのだろうが。
『そこで取り引きと行こう。黒幕の部族長がネミディアなら一つうなずく。フォモールならば、首を横に振れ。そうすれば、今回の件には目をつむるし、怪我も治してやる。ただし、二度目はないものと思え』
黒猫の声が、ラニーサの耳朶に響く。
フレイムアローを得意とする彼女だったが、ルー・フーリンには一度たりとも被弾していない。それどころか、魔法陣に吸収された火矢を逆に利用され、大火傷を負った。
短杖で威力と速度を上昇させていたフレイムアローが、すべて無効化され、カウンターを喰らってしまった。
有り得ない。
ケット・シー如きが扱える魔法ではない。
魔術という点においても黒猫はラニーサより、はるか高みにいる。魔力吸収――マナドレインがいかに、高等テクニックであるか、彼女は知っている。
さらに、水蒸気爆発を起こした知識も脅威である。
無能な王族の猫を始末しろ、という依頼だったはずだ。
愛する魔法を殺害に使うのには、抵抗があった。だが、成功の暁には魔道の深淵に至る『エイボンの書』をネミディアの部族長、ロスアルザから貰い受けるはずであった。
が、蓋を開けてみれば惨敗だった。
先ほどの爆発で闘技場の壁に叩きつけられ、身体が思うように動かない。
顔面は大火傷で、原形を留めてはいない。
激痛で、気が狂いそうだ。
そんな時、件の黒猫王子からコンタクトがあった。
おかげさまで、PVが10000を超えました。
ありがとうございますm(_ _)m
ご新規さまも、お待ちしています。
ブクマ、いいねがつくと更新頻度がアップすると
いう都市伝説が(笑)
何か、ミシェル・ブランチ の
ゲーム・オブ・ラブ が 聴きたい気分。
サンタナとのコラボ曲。
夏の午後に合う曲。




