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幕間――ルー・フーリン強化週間 19

 

 戦闘が始まった。

 パーソロンの戦士は、名をリュークスと言った。

 軽く、身長差は三分の一ほどある。

 リュークスは長槍で、右に左にと突きを繰り出す。

 遅い。

 ぺしっ!

 俺は軽く、猫パンチで穂先を叩き、攻撃をいなす。

 ぺし、ぺし、ぺし!

 俺は、猫じゃらしを払うように穂先を翻弄する。

 リュークスは遊ばれていると感じたのか、怒りながら渾身の突きを繰り出してきた。

 タン、と猫の身軽さで槍の中央部に乗った俺は、回し蹴りを喰らわし、リュークスを沈黙させた。

 まさかの番狂わせに、ざわめく観客席。


「勝者、ルー・フーリン殿下っ!」


 審判役の老エルフが、俺の勝利を告げる。

 と同時に、フォモールの族長ギルゼオが舌打ちする。

 舌打ちされてもなぁ。

 もう、面倒くさいからフォモール族ごと潰すか?

 いや、フラガラッハをそんなことには使えないな。

 まぁ、倒したとしても死骸の処理が面倒か。

 清濁併せ呑むのが、王としての器量ならば、俺には妖精王になる資格はない。

 すぐに、感情に流されるからだ。

 敵対する相手を取り込むのではなく、殲滅させる。その方が楽だ。

 ゆえに、父上を尊敬する。

 父上は、どの部族とも友好な関係を望んでいる。

 俺は、そのサポートをする。

 それで、十分じゃないか。

 俺ならば、獅子身中の虫は殺し尽くさなければ安心できない。

 が、父上は獅子身中の虫を飼いならすことができる方だ。

 さすがだ。

 俺が忠誠を誓うだけはある。

 このまま、俺は父上からの依頼を遂行する立場が良い。

 そして、父上にはいつまでも玉座に座り続けていてもらいたい。











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