幕間――ルー・フーリン強化週間 16
オーベロン城に戻った俺は、グリフォンとドラゴンの棲み分けがまとまった報告を父上にし、褒められ労われた。モフモフはなし。さすがに家臣の前では、俺も父上も自重する。
さて、帰って来た俺には寝耳に水な話があった。
明日、父上の前で部族同士の御前試合が行われると言うのだ。
この試合は俺が、妖精王に相応しい戦闘力を有しているか調べるもののようだ。
表向きの理由としては、妖精部族の友好を深めるためらしいが、俺に恥をかかせて、王太子に相応しくないことをアピールしたいのだろう。
本気を出せば瞬殺だが、父上の手前、それはよろしくない。
他の部族の顔を立てつつ、辛くも勝利するパターンが最上なのだが、俺はそんなに演技が上手くない。
面倒だ。
シュータローだ。
かつて、妖精部族は内乱が絶えなかった。
それを一つにまとめたのが、父上だ。
父上はハイエルフのダーナ神族で、母上も同上だ。
ティル・ナ・ノーグに住むエルフ族は以下の通りだ。
パーソロン族――原初のエルフ族で、弓を得意としている。
フォモール族――醜く、粗暴。巨体の者が多い。俺を王太子に据えることを一番危惧している。
ネミディア族――魔法や呪術に長けた一族。
フィル・ボルグ族――特に、これといった特徴はない。一般的なエルフがほとんど。
マイリージャ族――レイナルのようなダークエルフが多数を占めている。一時期、一部の民が邪神を召喚しようとしたため、他の部族からは嫌われている。
そして、ダーナ神族――ハイエルフな上に魔法と弓の扱いに優れ、美形が多い。理想的なエルフ。
後で、書き足します。




