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幕間――ルー・フーリン強化週間 13
(何ということだ。我ともあろう者が、あの小さき者に恐怖しているのか!? あれではまるで、猫の姿をした絶対強者ではないか!!)
ギルデガーラは初めて俺を見たように、視線を落としてくる。
妖精王の正式な使者と聴いて、通した者がケット・シーで、つい侮ってしまった。
が、相手が規格外の魔力を有することを知って、愕然としていると言った所か。
猫と思って手を出したのが、まさかの虎とは想定もしていなかっただろうな。
(妖精王クー・フーリン。確かに奴は、強者の匂いがした。が、此奴には勝てん。竜族総出でも勝てるか怪しいものだ。長らく、竜王にケンカを売る剛の者がおらなんだゆえに、思い上がっていたのは、我の方か……)
「イルダーナフ殿に謝罪する。妖精王への失言を取り消そう。謝罪を受け入れてくれるだろうか?」
「謝罪を受け入れよう。こちらも、両巨頭に対して失礼があった。ギルデガーラ殿とガルフォン殿に、お詫び申し上げる」




