幕間――ルー・フーリン強化週間 7
俺は縮地を使い、ギルデガーラとガルフォン殿の間に出現した。縮地は、敵の眼前に一瞬で躍り出る体術の一つだ。その分、多少のタイムラグや反動もあるが、数十メートルの距離ならば、全然問題ない。
空中に浮かび上がった俺は、足場を確保するため、オリジナル魔法である〈ラグランジュ・ポイント〉を発動させた。この魔法は、あらゆる場所に自身を一分間だけ、固定した足場を構築することができる優れものだ。不安定な足場では、満足に一撃を放つことができない。俺の魔法開発で、一番お役立ちの発明である。
特筆すべきことは魔法発動中は、いかなる時間や空間の干渉を受けつけないという点にある。要約すると、相手の大抵の妨害や攻撃では、魔法で創った足場は崩されないということだ。一分間という制限つきだが、俺のレベルがあがれば、自ずと継続時間が伸びるはずだ。多分?
俺の魔法の師匠であるクソジジ……こほん、マナナン・マクリールは、この魔法をチートと言ったが、意味がわからない。開発した魔法を有効活用できるよう、師匠の目の前でカスタマイズしただけだ。
何でも、時空間系の魔法は超高度な技術と適性がなければ行使できぬらしい。
俺的には、使えてラッキー程度のものなのだが。
まぁ、天才はいつの時代も嫉妬されるものだ。
常に英才教育を受けてきた俺には、造作もないこと。
仕方がない。
恵まれた環境に才能がプラスされたのだ。
たかが数年で、師匠を追い越して、ぐぬぬされるのには慣れている。
スパルタ特訓を経てきた俺だ。
多少、天狗になってもおかしくはない。
むしろ、弱気で魔法を発動させる方が危険だ。
話が逸れた。
今は、竜王に灸をすえる時間だったか?
後で、書き足します。




