幕間――ルー・フーリン強化週間 4
魔法の通路を通り抜けた先に、重厚なドアが出現した。サイズは小さいので、ドラゴニュートが出入りするための物なのだろう。
「このドアをくぐると、ギルデガーラ様が居られます」
「了解した。案内、ご苦労」
俺は、門番Bを労った。
尊大な態度は使者として、なめられないための演技である。
堅苦しいのは苦手だ。
そそくさと去ったドラゴニュートを尻目に、俺はドアに手をかけ、開け放った。
すると、そこには予想だにしない人物が居た!
グリフォン族の長、ガルフォン殿である。
鷲の頭部に、獅子の体躯。全身は緑がかった白い体毛に包まれており、耳状の突起がある。相変わらず、優美な姿だ。
対面には、竜王ギルデガーラと思しき黒竜が鎮座していた。どうやら、ニーズヘグと呼ぶ竜種のようだ。体長は三十メートルくらいか。一対の角と、ルビーのような紅眼。コウモリのような翼が特徴的なドラゴンだ。
両者は、珍妙な来訪者である俺に注目している。
いや、値踏みされているのか。
見つめちゃ、イヤン。
なんてな、ギャグをかまして和やかな雰囲気に持って行くのは、難しそうだ。
竜王とガルフォン殿は、十数メートルの距離を保って相対していた。
ガルフォン殿は、ホバリング状態で宙に浮いている。
石畳の床には、魔法陣が彫られていた。
効果は、重力軽減と頑強か。周りは天空を切り取ったかのような吹き抜けの空間となっている。おそらく、自由に出入りするための物か。
俺は、とりあえず最強魔獣コンビの近くまで歩を進めた。
ギロリと、ニーズヘグの紅眼が俺をにらむ。
う〜む、目線で殺されそうだ。
「なぜ、ここにケット・シーが居る?」
ギルデガーラの不機嫌そうな声が、頭上から響いた。
後で、書き足します。




