幕間――ルー・フーリンの誕生 11
「まずは、人造妖精であるルネの遺体を、錬金術で作り変える。体内の臓器を抜き、赤子が入るスペースを作り、封印のピアスをつける」
淡々と、ゴブニュが説明する。
「後は、生まれて来る息子――ルー・フーリンにメトセラの呪いを掛け、即死の呪いを相殺する――が、魔女モリガンの呪術の方が上だった場合は、エディンの身体で呪いを受け、赤子の死を回避する」
「待たれよ、ゴブニュ殿――それでは、エディンが犠牲になってしまう!」
ゴブニュの手順に、クー・フーリンが意見する。
エディンを失ってまで、子供を得る必要はない。
「もちろん、呪いはわしやロビアタールのお婆も肩代わりする。しかし、二人とも救えるかは分からぬ」
鎮痛な面持ちのゴブニュ。
可能ならば、母子共に助けたい。
だが、災厄の魔女の呪いがどれほどのものか、見当もつかない。
やれるべきことに、全力を傾注するのみだ。
「私か息子のどちらかの命を選択せねばならぬ場合、迷わず我が子を生かしてくれ」
「エディン――君が犠牲になる必要はないんだよ」
悲しげな顔のクー・フーリン。
彼にはエディンが選択を曲げないだろうと感じてはいたが、言わずにはおれなかったのだ。
「私は十分に生きた。愛する男性との間に、子をもうけただけで満足だ。惜しむらくは、クーと共に我が子の成長を見届けられないことだ……」
「大丈夫だ、エディン――君と息子だけは命に代えても守る。だから、そんな、もう会えないような言動は止めてくれ」
「そうだな。弱気なのは、私らしくないな。すまなかった」
「最悪の事態が起こらぬよう、わしらがサポートをする。ルー・フーリンには妖精界の王になって、もらわねば困るのでな」
(そして、早くわしを殺しに来い!)
ゴブニュは、自身を殺してくれる者を探していた。
ある目的のために。
今日は、アニメ 残響のテロル の トリガー
聴いてました。
最近、疲れやすいので、ビタミン剤を飲んでます。
作者が元気になるよう、ブクマ、評価お願いします。
m(_ _)m
(/ω・\)チラッ




