炎帝竜のピアス 17
朦朧とする意識の中で、ベルゼビュートはクリムゾンの言葉に耳を傾けていた。
(弱者か。確かに……俺様は……いや、俺は弱い。リドたちが死んだ時も、何もできなかった……)
かつて、ベルゼビュートが少年だった頃、五人の友人が居た。いずれも、半人半魔や下級悪魔だったが、彼は気にしなかった。
初めてできた友人らに、ベルゼビュートはのめり込み、短く楽しい日々を過ごした。
いつも、孤独だった幼きビュートの心は癒やされていったが、幸せは長く続かなかった。
ある日、ベルゼビュートが仲間との待ち合わせ場所に行くと、そこには心臓を貫かれた五人の遺体と、アスタロトが待ち受けていた。
彼女が全員を、殺したのだ。
殺害したのは弱者と群れるな、というアスタロトの自分勝手な理屈からだった。
半狂乱になったベルゼビュートは、アスタロトのメデューサの髪に拘束され、一矢も報いることができなかった。
号泣するベルゼビュートに、アスタロトは言い放つ。
「覚えておけ、ベルゼビュート――弱ければ、すべてが奪われるのだ」
「あんたは、それを教えるためだけに、仲間を――リドたちを殺したのか!?」
「そうだ。貴様に英才教育を施すために犠牲になってもらった。私がひと撫でしただけで死ぬくらいなら、どのみち早い内に、くたばっていただろうさ」
ニヤリとアスタロトは残虐な笑みを浮かべた。
「アスタロトっ!!」
この日、初めてベルゼビュートは母親に逆らい、マンティコアの毒尾で彼女に攻撃した。
能力を解放したベルゼビュートに満足げなアスタロトは、その場から立ち去った。
後には、仲間の亡骸に復讐を誓うベルゼビュートだけが取り残されただけだった。
こんな夜は、エディ・リーダー の 天使の嘆息
が 聴きたい。
なんか、彼と別れてバスに乗ったまま、ぼんやりと町並みを
眺めてるような歌。
もう一つ、ジョークって曲も良いです。
彼氏に別れを切り出され、冗談でしょ、笑っちゃうわ的な曲。
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お待ちしてます。
(/ω・\)チラッ




