幕間――イルマと獅子と赤帽子 10
「ふわぁ……何? 敵なの? 敵じゃないなら、もう少し寝かせて」
あくびをしながら、だるそうに答える斧リサ。
当然のことながら、彼女には目も口も見当たらない。
「いや、武器はフツー寝ないだろ?」
呆れ顔のレッドキャップ。
「んまっ! グフ様、それって武器差別! 精霊の魂を封じ込められた、あたしは睡眠もできる優れ物なのよ!」
(インテリジェンス・ウエポンなのか!?)
サブナックは驚愕した。
生きている武器にして、知性ある存在――それが、インテリジェンス・ウエポンである。
剣獅子は件の武器を見るのは、初めてだった。
知性ある武器は、総じて業物が多い。
レッドキャップが、どういう経緯でインテリジェンス・ウエポンを入手したか分からぬが、サブナックを退屈させるようなことは無いはずだ。果たして、未知なる敵はいかほどの腕か。
剣と斧というカテゴリーの違う武器同士が、交わる様を思うとサブナックは興奮した。
だが、そこに異論を差し挟む存在があった。
イルマである。
グフとの戦いも中途半端で、サブナックにも敵と認識されていない。
そこで、まず怒りの矛先がグフに向いた。
「貴様は引っ込んでいろ、レッドキャップ。私が売られたケンカだ!」
サブナックに蹴られ、軽い打撲を負ったイルマ。しかし、ここで引いてはウォーハンマーを鍛えてくれたゴブニュに顔向けができない。それに、魔界の悪魔をティル・ナ・ノーグに侵入したまま放置するのは危険であろう。
「オメーじゃ、あのライオン頭に勝てねえべ?」
確かに、イルマがサブナックに勝つビジョンが見えなかった。しかし、彼女の小さなプライドが引くことをためらわせた。
「うるさいっ! 大体、貴様には斧リサを盗んだ疑いがあるのだぞ! その業物は、この私がグリフォン族の長、ガルフォン殿に手渡したものだ!」
「オラは盗んでねえ! オラはレッドキャップになる前は、グリフォンだっただ。ガル爺ちゃんにリサはもらったもんだ! オメーこそ、勝てねぇくせに意地張るなっ!」
やっとこ、グフの正体が判明。
斧リサの正体は後日かな?
こんな夜は、アイズレー・ブラザーズ の
ビトウィーン・ザ・シーツ が 聴きたい。
評価、ブクマ、感想等お待ちしてます。
グフの由来は、連邦の白い悪魔の、ヒートロッド
を使う敵ではなく、グリフォンからということで。
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(/ω・\)チラッ




