父上への報告 8
(半分って、ニャンじゃそりゃ!)
クー・フーリンの言葉を信じるなら、京子の半分?は母親の生まれ変わりらしい。
では、後の半分は何なのか。
しかも、ゲイ・ボルグにはエディンの魂が封じ込められているという。
今世紀最大の謎が、黒猫を悩ませる。
「それよりも、今はフラガラッハを修復する方が先じゃないかな。妖魔との戦闘で、かなり疲弊したはずだ。ルー、フラガラッハを出してごらん」
黒猫は言われるまま、フラガラッハを差し出す。すると、クー・フーリンは自身の左手首を薄く切り、血を流した。
一瞬、顔をしかめる妖精王。
「父上っ! 何を……」
息子が悲痛な声を上げた。
「魔剣は血で鍛えることによって、強大な力を得る。ルーを守る新たな力――エクセリオンだよ」
「私の力も、注いであげる」
リアがクー・フーリンの手首に、手をかざすと周りが光り輝いた。
光が収まると、そこには一振りの聖剣・エクセリオンの神々しい姿があった。
白銀の剣身には古代の魔術文字ルーンが刻まれ、柄部分には新たにアメジストの宝石が嵌っている。
「私とクー・フーリンの愛の結晶、大切に使いなさいよ」




