幕間――ルー・フーリンの誕生 5
「麗子――陣痛が始まった。クーを呼んで来てほしい……」
いつもと違い、弱々しいエディンの声。
行方不明の京子を探す手伝いをしてくれた彼女を、麗子は新たに友と感じていた。
今の彼女は無力じゃない。
かなりの数の魔法を習得している。
エディンの手助けになるなら、何だってやる。
「分かった。大人しく待ってろ!」
スカサハは、すぐさまクー・フーリンを天幕に呼び、エディンの状況を説明した。
「今、出産すれば魔女モリガンの呪いで、息子は死ぬ!」
ルネが言い放った言霊は、凶悪な即死の呪いだった。
エディンがルーを産み落とした瞬間、彼は死ぬ。
呪いを回避するために、彼女は妖精王と魔女に呪殺を告げた。
魔法でも妖術でも、何でも良い。
呪いを回避する。
例え、代償がエディンの命であっても!
「私の命と引き換えなら、息子は――ルーは助かるのではないか?」
かすれた声でエディン。
「バカなことを言うんじゃない! 私はエディンも息子も、失うなんてごめんだ!」
クー・フーリンが珍しく、声を荒らげた。
誰も犠牲にしない。
もし、犠牲になる者がいるとするならば妖精王でなくてはならない。
自身の妻子をも守れないのであれば、妖精王の資格などない。
家族すら守れね者に、戦士である資格はないのだ。
「二人とも落ち着け。呪いなら反転させれば術者に返るだろう?」
「麗子はモリガンを甘く見過ぎてる」
と、エディン。
「バロールの石化の呪いは、半永久的に続く。モリガンが呪術を改良した所為だ。あの女の呪いは死した後も継続する。災厄の魔女の名は伊達ではないのだぞ!」
クー・フーリンの勢いに麗子は、ちょっと引いた。
後で、書き足します。
ブクマ、評価いただけたら幸いです。
今日は、セガのゲームミュージック
スーパーハングオン の BGM
聴いてました。かなり、アゲアゲで更新
できました。
モチベ継続のため、ブクマ等お願いします。
更新が早まります(笑)




