炎帝竜のピアス 7
魔界にも世界樹に似た大樹がある。
大きさは直径約五十メートルくらいだろうか。赤い葉をつける、魔界樹ルシドラシルは万魔殿横のメルガ平原の中央に立っていた。
ブロケルと遭遇したアスタロトは、しばし休息を取るために彼女を狙う悪魔たちを遠ざけるよう命令した。
ブロケルも72柱の魔神の序列者であり、陰の実力者だ。彼女のギフトはスイーツを摂取することによって、魔力を得られる能力だった。つまり、亜空間に菓子類をストックしておくことによって、いつまでも継戦することが可能なのだった。
カラスの姿で一際、大きさ幹に停まったアスタロトは、ベルゼビュートとクリムゾンの戦いを特等席で観ようと陣取っていた。
ツインテールのメイド悪魔は早速、亜空間からショートケーキを取り出し、栄養を摂取する。ブロケルのギフト〈マイ・スイーツハート〉が発動し、大量の魔力が彼女の中に生成される。
「んふふ。ケーキは景気良い時しか、食べれませんからね〜」
ダジャレである。
ブロケルの前世は、オヤジなのだろう。彼女は究極のダジャレを求めて、自分探しをしている最中だ。この野心は、誰にも止められないであろう。
「今のベルゼビュートに、クリムゾンを下すのは無理だろうな。新たな能力に目覚めれば、勝てる可能性もあろうが。仮にクリムゾンを使い魔にしようと、取り戻す術は幾らでもある」
「やあ、アスタロト――久しぶりだね」
いつのまにかカラスの横に、黒いスーツを着た男が立っていた。眼鏡を付け、髪はオールバックにまとめている。
「ベールゼブブ!?」
驚愕をアスタロトが襲った。
ベルゼビュートの父親にして、アスタロトの元夫が彼である。四大実力者の一人でもあるベールゼブブが、ここに現れたということはアスタロトを殺害に来たのだろう。表立って行動することがなかったのは、機が熟すのを待っていたからなのか。
ベールゼブブの金と銀のオッドアイの瞳が、冷たくアスタロトを見下ろす。
臨戦態勢に入ろうとするアスタロトを手で制し、レジメンタルのタイをゆるませる。
「心配せずとも、今は君をどうこうするつもりはない。ただ、息子の行く末が気になってね」
ベルゼビュートがクリムゾンに負ければ、それで良し。
新たにギフトに目覚めるようなら、始末せねばならなくなる。
「それは父親として息子を案じているのか? それとも、バールゼフォンとしてベルゼビュートを脅威に感じているからか?」
「ほう、やはり私の正体に勘づいていたか。侮れぬな〈紅の女帝〉はっ!」
紅の女帝とは、アスタロトの二つ名である。
流血を愛し、スカル・キャッスルに君臨する美貌の女城主。サタンの愛人とも噂される彼女だが、今日の地位はすべて実力で勝ち取ったものだ。
「貴様の魔界と暗黒界両方を手に入れようとする野心は気に入っていたが、私まで亡き者にしようとしたことは許せぬ」
「遠からず、魔界全土は私の物になる。手元には、アッピンの本もあることだしね。それまではバールゼフォンの正体がベールゼブブであるということは黙っていてほしい。でなければ、君の命の保証はできない」
ベールゼブブの双眸が赤く染まり、邪眼状態となる。
いつでも、アスタロトを始末できるという威嚇だ。
「フン。勝手に、親子同士殺し合うが良いさ。私は極上のワインを片手に、高みの見物としゃれ込もう」
後で、書き足します。
今日は、エアロスミス の ジェイディッド
な気分です。
今日は、洗濯したり買い物したり、してました。
快活クラブで、一人カラオケ行こうかな?
GWは高いかな?
福山雅治の恋人が、めちゃくちゃ歌いたい。




