幕間――イルマと獅子と赤帽子 2
イルマは世間知らずである。
鍛治神イルマリネンの娘で半神半人だが、閉鎖的な場所で育ったので、知識が偏ってしまっている。
ゆえに、レッドキャップが邪悪な妖精と理解はしているが、コミュニケーションを試みようとするくらいには無知である。グフがレッドキャップらしからぬ特殊個体で、優しさを持ち合わせた戦士であることをイルマは知らない。
話しかければ、何らかのリアクションがあるだろう。
もし、仮に襲って来たとしても、背中に負ったミスリル製のウォーハンマーで返り討ちにすれば済むこと。そう、結論づけイルマはグフへと声を掛けた。
アベル草原を急ぎ足で歩くグフ。
太陽は中天にあり、さわやかな陽光を地面に降り注いでいる。
季節の概念がティル・ナ・ノーグにあるのかは分からないが、春のように感じられた。
「そこの、レッドキャップ――ちと、道を尋ねたい!」
赤帽子とイルマの距離は、五十メートルほど離れていたが耳の良いグフが聞き咎め、振り返る。
「んあ、オラを呼んだだか!?」
グフとメリーの足が止まる。
メリーはグフの右肩に乗っているだけなので、厳密に言えば運ばれているだけだ。
段々とイルマが近づき、至近距離に迫る。
そこで、レッドキャップは初めてイルマが美少女だと気づく。
銀色に輝くショートカットのおかっぱで、瞳はサファイアを連想させるブルーだ。
兄弟子ルー・フーリンにブーツを届ける、一種のおつかいクエストだが、妖精界も物騒なので簡素な部分的な箇所を覆う、革鎧にイルマは身を包んでいる。背には、軽量化したウォーハンマーの姿が見えた。
途端に顔が赤くなるグフ。
何せ、母親や斧リサ以外の女性としゃべることなどないのだから、コミュ症を発症しても仕方がないだろう。
「オーベロン城には、どうやって行けば良い?」
グフは頭を掻きながら、目の前の居城を指差す。
よくよく見ると、全体的に蒼色の屋根が散見される大きな城がイルマの視界に入り込む。
どことなく、人間界のモン・サン・ミッシェルを彷彿とさせる造りだ。ひょっとしたら、迷い人が建造した建築物の可能性が高い。それほどまでに、類似していた。
近場の風景だけに気を取られていたイルマが今、オーベロン城のかなり近くまで来ていたことに気づく。
近いとは言え、まだ数キロは離れているだろう。
(こんなに、近かったのか……)
「んじゃな」
きびすを返すグフを、イルマが呼び止める。
「待て! お前の、その背中の業物はどこで手に入れた!?」
後で、書き足します。
今日は、バーシア の
クルージング・フォー・ブルージング
を聴きたい気分。
連休なので、英気を養って執筆したいと思います。
喫茶店で、アメリカンブラックのコーヒーを飲みながらとか。
実際は、やるべきことを終わらせてベッドに寝転がりながら、スマホをポチポチしてる感じです。
PCではないので、執筆速度も遅く、文章量もそんなには、ないので申し訳。 m(_ _)m
せめて、スマホがアイフォンならスムーズに執筆できるのですが。
OSが優秀すぎる!
今は、マイナーなメーカーのスマホでがんばってます。
ブクマ、評価お待ちしてます。
(/ω・\)チラッ




