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炎帝竜のピアス 5

 

 スカル・キャッスル上空――



 そこには封印を解かれたクリムゾンと、グリフォンの翼でホバリングするベルゼビュートが対峙していた。

 ファイヤードレイクは本来のサイズである十メートル級の、ドラゴンの姿に戻っていた。竜というよりは蛇に近い感じだ。だが、吐き出されるブレスは、火竜の中でもトップクラスであった。

 さすがにベルゼビュートもブレスを警戒してか、距離を取っている。

 竜種は元から状態異常耐性を持ち合わせているので、レオナールのスキル〈ラスティ・ネイル〉は効きにくいだろう。

 ある魔獣から、雷撃のスキルを奪っているベルゼビュートだが、至近距離まで近づかなければ有効打を放つことはできない。

 何より、天空はドラゴンのフィールドである。

 敵と同じ土俵で戦ったら、まず確実に負ける。飛翔能力を得たベルゼビュートでも、空中戦はなるべく避けたかった。

 自身をカスタマイズするには、さらなる魔獣の能力を取り込まなければならない。それが魔界の覇者となる最短距離であろう。

 クリムゾンを己れの使い魔にして、母親を出し抜くのだ。

 サタンもアスタロトも食らって、魔界をベルゼビュートの王国にする。

 そして、レオナールとオセには将軍の位を授けるのだ。まぁ、山羊には魔界にネイルサロンを設置することの方が喜ばれることだろう。

 オセにはヤグルシやアイムールのような、斬れ味の鋭い双剣を贈るつもりである。

 これで二人の忠誠度も高まることだろう。

 ――魔獣を使い魔にするには戦いに勝ち、相手を屈服させなければならない。

 自身より弱い主に仕えることなど、魔界ではあり得ない。

 強者や勝者だけが魔獣を従える資格がある。

 ベルゼビュートの試練は、始まったばかりだった。














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