竜虎の下剋上 9
帝王サタンの斬首を目の当たりにした悪魔らは、新たな主になるであろう二人に注目した。
片方は、〈東の王〉の称号を持つバールの息子で、もう一方は〈蝿の王〉ベールゼブブと〈大公〉アスタロトの息子である。
血統は由緒正しいサラブレッドだ。魔界を引き継ぐ実力も、サタンを倒したことで証明された。後は、魔王衆の出方次第だが決闘を終えたすぐ後で挑むバカもいないだろう。消耗した両者を倒せはするが、決闘を重んじるマルコキアスあたりが、そんな卑怯者を始末するはずである。
ざわめくサバトの間に、凛としたバールゼフォンの声が響き渡る。
「サバトの間に、お集まりの紳士諸君。ご覧の通り、サタンは死んだ。ベルゼビュートとは共闘したが、次は魔界の玉座を賭けて、折を見て、組織戦を決行するつもりだ。余の軍門に下る者は、こちらに集まって欲しい」
魔界では一対一の決闘もアリだが、軍団を指揮して組織戦を仕掛けても良い。決闘に対するスタンスは結構、自由が認められている。悪魔の数だけ、決闘のスタイルがあると見て良いだろう。両者の実力は拮抗しているので、今回は組織戦で戦っても面白い。それにはまず、手駒を入手しなければならない。勧誘せずとも、新興勢力の二人についていきたい悪魔は多いだろう。
「じゃあ、俺様について来たい奴はスカル・キャッスルに来な。これから、バールゼフォンと戦争だ!」
ベルゼビュートも組織戦に抵抗はない。
確かに、実力でのし上がることは好きだが、サタンくらいの大物になると、骨が折れる。毎回、命を削るようなバトルは、やってられない。特殊で、面白そうなバトルだけをつまみ食いする。それが、ベルゼビュートの考えだった。
――スカル・キャッスル地下牢内。
あれから、ほぼ半数くらいに別れた悪魔を引き連れて二人はそれぞれの拠点へと場所を移した。
バールゼフォンを支持する者は万魔殿に残り、ベルゼビュートに従う悪魔はスカル・キャッスルへと移動した。拠点には、悪魔たちを待機させる広大なスペースがあり、そこでしばらくは暮らしてもらい、戦力となる魔神を見定めるつもりだ。弱い悪魔は、後方勤務とし防衛に当たらせる。
攻城戦もイベントとしては、楽しいだろう。
母親への反抗期なのか、ベルゼビュートはスカル・キャッスルに入城するなり、アスタロトを地下牢に幽閉した。
美貌のアンドロギュヌスは牢内で磔にされ、赤い薄布をまとった半裸の状態で、手首と足首を拘束されていた。アスタロトは特に反抗することも無く、虜囚の身に甘んじていた。
多少、拷問を受けたのか所々に鞭による裂傷が散見された。唇からは血の糸が引いている。枷には魔力を大幅に弱める魔法を使用しているので、逃亡には困難を極めるだろう。
「クリムゾンを渡す気になりましたか、母上?」
アスタロトの顎をつかみ、ベルゼビュートが尋ねた。毛髪が無数の蛇と化して、無礼な息子を威嚇する。が、メデューサの蛇髪も、魔力を弱められているので勢いがない。
クリムゾンは炎帝竜と呼ばれるアスタロトの騎竜である。
ファイヤードレイクという竜種で、超高熱のブレスを吐く蛇体のドラゴンだ。平時には、アスタロトの左耳を飾るピアスとして、ブロケルの目を楽しませている。
「クリムゾンは、この私でさえ捕らえるのに三ヶ月を要したのだぞ。お前如きが御せるものか――」
「封印さえ解いてくれたら、後はこっちがやります」
ニヤリとベルゼビュートは自信有りげに笑った。
後で、書き足す感じです。m(_ _)m
今日は、安物だけどズボンを4着も買ってしまった。
最近、ウエストが急激に確率変動しまして
――下半身デブになってしまったのです。(泣)
肉丸くん状態だけど、忍者じゃないから
神風の術は、使えません(笑)
肉丸くんはデブで忍者だけど、魔子ちゃんて
美少女に好かれているというリア充野郎!
見習わなければ(笑)




