8
キャッキャウフフキャッキャ ア〜 ユミマタオオキクナッタ〜? ヤダ〜ヤメテヨ〜 フヘヘ
むせる程に満ちる甘く湿っぽい女の子臭、人肌による生温い空気、目の前に広がる肌色とカラフルな布布。
現在、僕は女子更衣室で女子の生着替えを見ていた。大胆な覗き行為である。
「あまりキョロキョロしないで下さい。怪しまれますよ」
ボソリとすぐ側で注意してくれる糸さん、黒のブラを露わにしてる状態で、である。下がスカートのままなのも高ポイント。昨日のお風呂時と違い、僕に対する羞恥心は既に薄れたらしい。
「ま〜た二人でコソコソとっ」
「ひゃん!?」
と、恐らく僕の口から初めて出たであろう嬌声は、急に後ろから僕の乳を揉んで来た体操着姿のモノさんが原因だ。
「フヒヒ可愛い胸板に可愛いボクサーパンツだねぇボーイッシュを目指してるのかなぁ? 悪いけど、蜜ちゃんの可愛さからすればそれは無駄な足掻きでしかないよっ」
そうか僕は男の子にはなれないのか、と諦観してる間にもワラワラ下着姿のクラスメイトらが僕を眺めに近づいて来る。ヤバイ、そんなに近付かれたら流石にシンボル♂がバレちゃうっ。
なので、さり気なく股でキュッと『挟む』。これで乗り切れる筈だ。
「キャー産まれたての子羊みたいにプルップルしてる〜」
「可愛いいいい」
「ほらアンタら蜜ちゃんを怯えさせないの!」
……ま、そんな認識でもいいか。一方、僕の行動の意図に気付いてるであろう糸さんからは胡乱な視線を寄越されるのであった。
「いっそ、あそこにいるモノホン『男子』の沙羅っちみたいにショートヘアにすれば、目の悪い人には男の子に間違って貰えるかもよ?」
サラリと、モノさんの口から『この更衣室には男子がいるよ』発言。耳を疑ったが、モノさんにつられて視線を移すと……確かに、樒さんと雑談している体操着姿の沙羅さんの股には……【膨らみ】。
なんと白錆姉妹でなく、姉弟(兄妹?)だったのか。まず気付けない。ショートヘアといっても女の子っぽいボブカットだし。
「(ぼそ)ちょっと糸さん、何で男子が居るのに皆平然としてるの」
「ん、(ぼそ)彼を男子更衣室にやるわけにはいかぬでしょう」
確かに。いけない想像をしてしまう。
「(ぼそ)因みにトイレも女子のを使っています、信頼されてますので」
「(ぼそ)……ならいっそ僕も男子で良くない? 普通に受け入れて貰えそう」
「(ぼそ)ダメです」
意地っ張りだな、やっぱりまだ昨日のお風呂の事怒ってるのか。いっそこの場で素っ裸になって取り返しつかない展開にしてやろうか(自爆)。
「隙さえあればこの二人はイチャイチャと……しかし、糸っちの家に来たのが女の子の蜜ちゃんで良かったよ。コレが男なら確実に糸っちのナイスバディにリビドー爆発させるからね。ま、そうなる前に友人である私が報道部総力をあげて社会的に抹殺するけども。糸っちに頼まれまいと、さ」
糸さんが言っていた熱狂的狂信者(の一人)がまさかモノさんだったとは。用心しないと。
「急げ沙羅っ」
「はいはい」
更衣室を駆け出る白錆姉弟。チャンスとばかりにパッパと着替えた僕は、彼女らに着いて行くようにシャカシャカ走りで場を離れる。人の密集地に長居すればそれだけバレるリスクも増えるしね。
勿論その間も内股は忘れずに。




