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――町の外れにある古びた洋館。どんな人物が住んでいたかも不明なこの不気味な建物には、昔から様々な噂があった。

やれ幽霊や妖怪の住処だ、やれ異世界の入り口だ、やれ製薬会社の極秘研究所だ、と。


「調べて欲しいって匿名の依頼があったんだ。何やら最近になって、屋敷の窓から人が覗いてただの、入ると呪われる部屋があるだのと噂が追加されてさ。いや、まず入るなよとは思うけど」


オカルト部は【気功、占い、風水、妖、霊、土着風習、信仰】などの依頼を幅広く受け付けている。実績もそれなりにあるようで。


「それで、土曜の昨晩、いざ調査に乗り出したわけなんだけど……途中、しき姉と蜜さん、鋏ちゃんが件の呪いの部屋に閉じ込められちゃって。中からも外からも打つ手無しの完璧な監禁でさ、三人が出て来られたのは明け方ってわけ。いやぁ参ったよ」

「何が参っただっ、さっさと帰った癖してっ。……しかし、館の異変全ての黒幕が、まさか『あんな奴』だったとはなぁ。予想外だ」


樒さんの呟きに頷く一同。蚊帳の外な私だが、別に気にはならない。この先に尾を引く出来事(伏線)でも無いだろうから。


しかし……学校でも挨拶程度の会話しか見ない蜜さんと樒さんが、昨晩はどんな会話をして過ごしたのだろうと、そこだけ気になった。どうも研修旅行以来、二人の間には独特の空気が出来ている。


――朝食を済ませた後は、特に何事も無く樒さんの部屋を後にする。

蜜さんだけにゴロゴロと甘えて来る猫達が、少し癪に障った。


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