表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/151

31

「ウサッ、船をお待ちなら、卯月うづきのとこで休みません? 美味しいお茶もお菓子も気持ちいい露天風呂もあるピョン!」


旅館の娘さんだろうか? 商売熱心なおチビちゃんの誘いに負けた僕らはウサ耳幼女の提案を受け入れる事に。


「本当ピョン? じゃあついてくるウサ!」


語尾も徹底してるなぁと感心しつつ、ピョンピョン跳ねて移動するウサ耳幼女を目で追っていると……一瞬、視線が合った。


クスッ——


悪戯っぽい目付きと微笑。幼い見た目からの不意打ち気味な艶っほさ。

どうしてか、その笑みには見憶えがある。


「(ぼそ)ゆだんするなよ、みつ。あの【めうさぎ】、どうもおかしい」


僕の背中にくっつく鋏の小声に、小さく頷いた。



——来た道を戻る様に歩いていると、幼女が口を開く。


「その制服は、皆様〈帝釈学園御一行様〉ピョンね?」

「え? うん、そうそうよく分かったね。この奥野島に観光兼取材に来たんだよ」

「と、いうことは、貴方がモノ様ピョン? 実は、貴方に依頼を出したのは卯月ウサッ! 本当に来てくれるとはだピョン!」

「え、そうなの? 偉いねぇ、その歳で島の事を考えてるだなんて。よ〜し、お姉さん頑張って宣伝しちゃうよ!」

「期待してるピョン!」


ほのぼのとした会話をする二人。それを穏やかな顔で眺める沙羅さん。

一方、鋏の警戒は未だ解けておらず……樒さんも幼女を険しい目付きで観察していた。


それから歩いて一0分もしない内に、小さな旅館が見えてきた。立派な構えの建物……だが……僕らは自然と顔を合わせる。

この道は、先程通ったばかりの——芝公園から港までの——道、なのに、さっきは『こんな建物を見なかった』、筈。


「どうしたピョン? さぁ、遠慮なさらず入ったウサッ!」


世にも奇妙な気分を覚えつつ、幼女の勢いに負けた僕らは、そのまま旅館へと足を踏み入れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ