表裏一体
一歩を踏み出す人を馬鹿にする人達。最初の一歩、その大きな一歩の下に落とし穴を仕掛ける人達。あるいは最初の一歩を踏み出す準備をしているところに襲い掛かり、鼻先を折る人達。何を恐れているのだろう。そんなにも何が嫌なのだろう。そんなにも何が気に入らないのだろう。
私には分からない、分かるはずもない。だって一歩を踏み出せた人間だから。だから一歩を踏み出す人間を応援することができる、褒めることができる、支える事ができる。ならば踏み出せなかった人間は?なぜ踏み出せなかったのか?なぜ踏み出さなかったのか?彼らと私は何が違うのか?私は考える。どうしたら前に進めるかを。どうして前に進めないのかを。環境、家庭、友人、学校、経験、教養、収入、トラウマ、恐れ。様々な要因がある、そして考えれば考えるほどにパラメータは無限に増えていきやがて思考もろとも私を果てしない海へと押し流していく。結局私も進めてはいないのかもしれない、だがそれでも進むための努力は惜しまないつもりだ。しかし私から見て前に進もうとせず他人を貶めようとしている人から見た私は果たして前に進めているのか?そもそもその人は本当に前に進む努力をしていないのか?結局進んでいるつもりで自分より歩が遅い人を貶めているのではないか?果てしない思考の海に肩まで浸かって気づく、「ああ、表裏一体だ」と。