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魔導の子  作者: いわ
4/5

再誕

目が覚めた。

ここは………先刻、僕が焼け死んだ場所だ。鼻につく人間の焼けた臭い。何が好きで一日の内にこんな臭いを嗅がないといけないのだろう。そう思っていると……


「なんだ、コレ…………ん?」


転がっていた袋の存在に気付き、声を漏らした途端…………僕はとんでもない事に気付かされた。




――――――声が異常に高いのだ。男の太く、逞しい声と比べ……この声は、あまりにもか細く、華奢なものだった。

「まさか………」

そんなはずはない。そんな事は有り得ない!触れば懐かしきあの胸板があるのだ!そう、男という割には頼り無さげだったあの胸板が………


ふにっ。


どうやら、今まさにこの服を押し上げている膨らみは、偽物ではないようだ。…………どうしよう。これまで1度も女性とは関わりを持ったことはないのだ……そんな僕に、こんな仕打ちをするなんて!最高だ!……とは言えない。第一、今はそんな事を気にするより、もっと気にするべき袋がそこに転がっているではないか。そう思って、僕は袋に手を伸ばす。


「………マジックバッグか」


まるで小物を入れておくような大きさの袋…しかし、その中身はかなりの貯蔵量を誇る。これが空間を作り出す魔法を用いた「マジックバッグ」だ。それを僕は用心しつつ、ゆっくりと口を開けていく………


「なんだ?これは……」


ただの棒だった。重い灰色、巻かれた包帯の様な何か…きっと、ここを持てということだろう。

………しかし、この棒からは底知れぬ魔力が感じられる。もしかして、これはとんでもない代物なのでは?と思索に耽っていると……


「グルルァアッ!!!!」

と唸り声が近付いてくる。これは振り向いただけでは間に合わない!

「はあぁっ!!!」

振り向きつつ、身体の回転とともに棒をブン回す。



ジュッという音が聞こえた後、ドサリと魔物は地に倒れ伏した。

非常に危なかった。この棒が無ければどうなっていたことやら……そう手元を見ると、僕は我が目を疑った。



手には、紅く、まるで炎のように輝く……剣が握られていた。形云々は魔力を含むアイテムだったので、特に問題視する訳ではない。しかし……咄嗟であったというのに……



何故、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のか。

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