9.ヒロイン補正
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せっかく美波ちゃん…いや美波と、親友になれたんだからやりたいことはまずひとつ
速水ちゃんが先になっちゃったけど…
「とりあえず連絡先交換しようよ!」
私はにっこり笑ってスマホを取り出しながら聞くと、そういえばそうだったわねと向こうもスマホを取り出してお互い登録しあった
かと思えば微妙な顔を浮かべた
「ん?どしたの?」
「いえ、気になったことがあるのだけれど…真紀はいつからスマホを持ち出したの?」
「昨日からだよ!中学校までは周りも持ってなかったし記憶がなかったから不便ではないけどすごく欲しかったんだ!」
(すごく高校で初スマホなんて、それこそ高校デビューっぽくていいよね!)
「…私も昨日からなの…そして、連絡を取るほど親しい友人もいなかったから同じく不都合は無かったわ…だからアドレス帳がほぼ真っ白なの。作為を感じない?」
今まではアドレス帳の数が友達の数!って思ってたけど、
言われてみれば前世の記憶が戻った今なら不思議だなって思う。でも、確かにゲーム始まって昔の知り合いばかりと連絡とってても話が進まないよね…
「ヒロインだからってこと?」
「ええ、お互いの引っ越しの時期も含めてそうじゃないかしら…と。転生したことに気付かなければ違和感なんて感じなかったけれど」
「私はお父さんの転勤で引っ越してきてきたけど、小さい頃もこの辺に住んでたらしいよ…」
「私は両親の長年の夢だったカフェのオープンで引っ越しってことになったの。親戚のつてでこちらに開くことになったのだけれど…」
話せば話すほどゲームっぽいなぁ…
美波もそう思ってるのか、なんだか遠くを見ているような目をしてる…
あ、ゲームといえば…
「そういえば、学校の行事とかもゲームでやってると疑問だったこともあるけど、本当にあるもんなんだねぇ…一番早いのだと体育祭で終わったらフォークダンスだっけ?」
前世で高校生でフォークダンスとか実際にあったら嫌がる生徒が続出しそうだなぁ…
私も知らない人と触れ合うのはちょっと嫌かな…
「そうね、他にもテストの順位が貼り出されるとか…本当にやるの?って思うことも多いわね」
それもあったか!現実的に考えるといじめだよ!
「テストはステータスで決まるなら最初はひどい点数だろうし順位貼り出されるのは恥ずかしいよね…!!2周目以降なら便利な補正アイテムとかありそうだけど、何故か人生は2周目だけどそんなものないし…補習イベントの回収は楽かもしれないけど…ははは…」
「そもそも勉強すればするだけ成績が上がるのかもわからないものね。ゲームのように最終的にオール100点とか取ってもなんだか現実味はなさそうだわ…」
オール100点かぁ…
取りたいけど取りたくない気もするのはなんでかな?
そんな感じで私達は夕方になるまでゲームと現実の話をした。
別れ際にこれからよろしくの握手をした時、美波の照れた顔とそっと差し出された手がすごく頭に焼き付いたので伝えると美波も私の顔が焼き付いていたようで二人で笑った。
家に帰ってからスマホを見てみると、美波と速水ちゃんからメッセージが入ってた
美波: 変な成り行きだけれど
これからよろしく頼むわ
とりあえずまた明日ね 美波
速水ちゃん:明日は隣駅に10時でいいかな?
私の友達もOKだって(*´ω`*)
一緒に色々見て回ろう!(>_<)♪
順位貼り出される学校って本当にあるのでしょうか?