6.ゲーム補正
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入学式、自己紹介、教科書配布も終わって下校時間の時間になったから美波ちゃんにどこで話すかと聞いてみたんだけど…美波ちゃん、なんだか複雑な顔をしてない?
「あの、初対面の人と話す場所ではないかもしれないのだけれど…真紀さん、うちに来ない?」
「え、いいの?」
何それ!いきなり自宅とか仲良しみたいで嬉しい!
でもなんで顔が引き吊ってるんだろう?
「実は私のうち…喫茶店なの、しかもオープンは来週…」
「すごい!それなら尚更楽しみ…!!」
すると美波ちゃんはキョロキョロと近くに人がいないか確かめてから、げんなりした顔でため息をついてから小さな声で言った
「明らかにヒロイン補正でしょう…?」
「あー…」
言われてみれば確かにヒロインっぽい…!!
◆ ◆ ◆
美波ちゃんの家は学校の最寄り駅を少し過ぎた公園の近くにあるらしいから、私は自転車を押して美波ちゃんと話ながら向かうことにした。
「そこの二人、待って~!」
学校の校門を出たところで、後ろから少し慌てた声が聞こえたから振り返ってみると
カチューシャをしたミディアムヘアでオレンジがかった茶髪の女の子が走りながらこっちに向かってきていた
教室で見た顔だから、クラスメートなんだろうなぁ…
名前、なんだったっけ?自己紹介とか色んなこと考えてて全然人の話聞いてなかった…!
私達の前に着くと肩で息をしながら呼吸を整えて顔を上げた
「いきなりごめんなさい!同じクラスの斉藤さんと松田さんだよね!少し話したかったんだけどいいかな?」
「ええ、大丈夫ですよ。あなたは速水さんでしたっけ?」
流石美波ちゃん!名前覚えてたんだ!
「うん、速水ゆかりです!改めてよろしくね!それで話っていうのは斉藤さんが自己紹介の時に言ってたことなんだけど…オススメの場所!散歩とは違うかもしれないけど明日隣駅のショッピングモールの広場でフリーマーケットがあるから、良かったら行ってみたらどうかなって思ったの!明日だから今言わないとと思って…いきなりごめんね?」
フリーマーケット!
安くてお得にアイテムが手に入る素敵イベント!
ゲームだとすごく大事!
「わざわざありがとう!明日予定もないし行ってみるね!」
「ふふ、どういたしまして!私も友達と行くんだけど、良かったら一緒に…松田さんも、どう?」
「予定は無いわね、ご一緒させてもらおうかしら。」
「本当?明日が楽しみ…!あ、でも待ち合わせどうしよう?」
すると速水さんは鞄をごそごそと漁りスマホを取り出して笑顔で言った
「よかったら連絡先交換しよ?」
しばらくJKのターンが続きます。