29.遊園地(真紀視点2)
真紀視点です。
美波と佐原くんが観覧車に乗り込んだのを見届けた。扉が閉じて、振り返った二人が少し驚いた表情をしてたけど気にしない!
次の番で花守くんと観覧車に乗り込み向かい合わせに座り目を合わせてお互いに声を出して笑った。
「いやー今日はいつもと違って楽しいよ、真紀ちゃん誘ってくれてありがとう」
「こちらこそ協力してくれてありがとう!頼んで良かった!」
「こういうことなら喜んで!…それにしても、美波ちゃんが気になるのが佐原だったとはね…あいつはうちの常連さんなんだ」
「へぇ!よくお花買うんだ、ちょっと意外かも!」
佐原くんはキッチリしてて真面目そうで勉強が出来るイメージだったけど、お花とはあんまり結び付く感じがしないかな…
(でもお部屋とかキレイに整理整頓されてそうだし、お花を飾るおうちなのかな?)
「はは、確かにイメージには無いかもね…それはさておき、美波ちゃんとうまく行くといいね」
「うん!美波は頭が素直じゃないところがあるから心配なんだ!」
普段はクールぶってるクセに自分の事となると慌てるんだよね、美波って。
「お化け屋敷も苦手そうだったけど、嫌だとは言ってなかったもんね…!よく出口まで来れたなぁ…すごくこっちを睨んできていたけど!」
うん、お化け屋敷から出てきた美波はすごい顔してた…後で文句を言われるんだろうなぁ…
そんなことを考えつつ観覧車からお化け屋敷の場所を覗くと、先程とは比ではないくらいの長蛇の列になっていた。
「お化け屋敷、すごい列だね…確かにすごくリアルで怖かったけど…なんかあぁいうやつって楽しいよね。人気なのわかるなー!」
「あぁ、真紀ちゃんはきゃーって言いながら楽しそうだったよね」
「僕は人が怖がってる反応を見て楽しむタイプだから、そういった意味では美波ちゃんがどうだったか気になるな…今度聞いたら教えてよね」
お化け屋敷ってびっくりするし怖いけど叫ぶのが楽しいんだよね。作り物ってわかってるからかなぁ?
でも、確かに花守くんにすごく見られてる気がしてた。それだと私と一緒じゃそこまで怖がらなくてガッカリさせちゃったかな?
美波の様子は私も気になるし、どうせ夜に美波に電話して怒られるだろうからその後で聞いてみよう。
そう思ってOKと答えた。
「そういえば、今日はこうして四人で遊んだけど今後はどうするつもりなの?素直じゃない美波ちゃんと真面目な佐原が二人きりでデートなんてなかなかならなそうだけど」
「うーん…また四人で遊ぼう!って誘っておくとして…次はどこだろう?」
「あ、また僕も参加なんだね…楽しいからいっか。それなら、趣味とかでもあれば誘いやすそうだけど…美波ちゃんの趣味、真紀ちゃん何か知らない?僕は佐原の趣味は知らないけど」
(え?美波の趣味…えーっと…)
改めて考えると知らないな…共通の趣味はあるけど前世だしこの世界みたいなゲーム!とか言えないし…
すると、脳裏にゆかりちゃんに見せてもらったノートが鮮明に描かれる…
◆松田美波◆
『誕生日7月22日 A型
好きな物:趣味
もふもふぬいぐるみ 料理
ベランダガーデニング(食用)』
(え?スチルだけじゃないんだ…!!)
「ん、何か良い案あった?」
美波のプロフィールが脳裏に出てきたことに驚いたのだけれど、考えてからぱっとする様子は思い付いたように見えたのかもしれない…
ベランダのガーデニングとか料理はどこかに出掛けるような趣味じゃないよね…だとすると…無難そうなのは…
「ぬいぐるみとか好きって書いてあ…じゃなくて!前に言ってた!…かなーって…!
ぬいぐるみがあって誘いやすいところ…」
実際は美波に直接聞いた訳じゃないけど…うん、言ってたことにしよう。
でもぬいぐるみとかで行き先変わるかな?
「ぬいぐるみかぁ…動物園とか水族館ならアリかな?後は僕が苦手なゲーセンか…」
「ゲーセン苦手なの?私もあの大音量は苦手な方だけど遊べるのは楽しいよ?」
「嫌いじゃないよ?でも、長く楽しめてるやつは良いんだけど短い時間でついお金使っちゃうのがねぇ…あと、ゲーム運無いみたいなんだよね」
「ゲーム運?」
ゲーム運…何それ?
対戦ゲームが弱いとかじゃなくて?
「説明するより見てもらった方が早いかな…そろそろ観覧車もおしまいだし、後で今度はゲーセンに遊びに行こうって誘おうか」
言われてから外を見ると観覧車は大分低い位置まで来ていた。そして乗るときも夕暮れ時だったけれど、辺りは暗くなりつつあり園内の照明が点灯し始めていた。
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