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27.遊園地(美波視点1)

美波視点です。

(今日は厄日なのかしら…)


私は走馬灯のように今日あった出来事を思い出していた。


…ゆかりと咲良が来なかったこと


…なんだか真紀と花守くんがやたらと仲良く話していたこと


…それに乗じてほとんどのアトラクションを佐原くんと隣り合わせやペアで乗ったこと


…お化け屋敷に並ばされ、下手な演技で真紀が離脱していき、花守くんと笑顔で戻ってきたこと


…最終的に花守くんにそのまま捕まってお化け屋敷の列に最後まで並ばされてしまったこと…



真紀と花守くんは次に入るらしく、背中を押されてしまった。後から知ったけれど、アトラクションの部屋自体が5ヵ所もあるから、列が進むのが早かったらしい。


私は遠い目をしながら説明を聞き、嫌々お化け屋敷の中へと入っていく。

入って数歩歩いたところで佐原くんが振り返る。



「松田さん、大丈夫?…な訳ないか…」


「うぅ…途中で出ることは出来ないのかしら」


「役者さんに言えば可能かもしれないけれど…なんか言いにくいよな…」


既に退路はガチャりと鍵をかけられる音がしたので断たれていることでしょう…


「ホラーメイクで案内されるのも怖いわね…」


「ってことは進まないと出られないか…歩ける?」


「……し、下を向いたり目を閉じていても大丈夫そうなら…」


見なければきっと大丈夫だけれど、そうしたら佐原くんに迷惑をかけてしまうわね…どうしたらいいかしら…


「それで進むか…手を繋ぐと転びそうになったとき危ないよな…どこでも好きなところ掴んでいいから、離れるなよ?」


「え?あ、ええ…お願いするわ…」


離れるな…そんな言葉に不覚にもときめいてしまった…


(吊り橋効果かしら…私ってチョロかったのね…)


私は顔が熱くなるのを感じながら佐原くんの背中側のシャツを掴ませてもらう。


「よし、行くか…俺も驚いたり軽く叫んだりはするだろうから格好悪いだろうけど、多目にみてくれ」


「一緒に進んでくれるだけでも頼もしいわ、私の方こそ情けない姿ばかり見せそうで…先に謝っておくわ」



こうして私は佐原くんに頼りっぱなしでお化け屋敷を抜けていった…


時折聞こえる声や物音、足元に見える足に悲鳴をあげて…だ、抱きついたりしてしまった…


(恥ずかしい…)



やっとの思いでお化け屋敷を出たら、すでに真紀と花守くんが外で待っていてニヤニヤしていた。


最後に観覧車に乗ったら帰ろうという話になり、先程観覧車に乗り込み扉が閉められた…


先に私と佐原くんが乗り込むが、真紀も花守くんも同じ箱には入らず次を待つようで二人して笑顔で手を振ってきた…


(コイツら…どこまで計画してたのかしら…)


返事次第では絞める…

…いいえ…聞かないでおきましょう…


とりあえず今はこの場をどうするかだ。


「なんだか大変な1日になってしまったわね…付き合わせてしまってごめんなさい…特にさっきの…」


向き合って座ったは良いものの恥ずかしくて顔を合わせられない…


「いや、久々の遊園地だったし俺は楽しかったから気にするな。いつも冷静そうな松田さんが取り乱す姿も見れたしな」


「もう!忘れてちょうだい…」


はははと笑われてしまい、恥ずかしさMAXな私は少しむっとした。苦手なんだなら仕方がないでしょう…もう…


外した視線で外の景色を眺める。

まだ少し登っていったくらいだった…そりゃそうね…

降りるまで何を話そうか…いざとなると聞きたいことがいっぱいで悩むわね…


どうしてうちのカフェに来たの…とか、休みの日は何しているの…とか


(聞かなくても問題無いようなことばかりだけれど…)


話題に悩んでいると佐原くんから「そういえば」と言う声が聞こえたので私は顔をあげ佐原くんの顔を見た


「1つ確認したいことがあるんだが…バイトの時に松田さんのこと何て呼べばいいか悩んでるんだ。結局名前は呼ばずに今まで済ませてたんだが…」


言われてみればそうだった。家族経営のカフェだから、彼からしたら私だけでなく私の両親も松田さんになる。他のパートの人達は年齢も離れている為美波ちゃんと呼ばれているけれど佐原くんからは特に呼ばれていなかった。私達からしたら『佐原くん』で済むけれど、佐原くんの立場ではそうはいかないわよね…


「一応君のご両親には自分たちは名前で良いと言われたけれど、二人を名前で呼んで君のことを松田さんと呼ぶのも不思議な気がして…。そしていきなり名前で呼んでも気持ち悪いだろ?」


「美波で良いわよ、敬称もいらないわ。呼び方のこと、今まで気が付かなかったわ…ごめんなさい。確認してくれて…その、ありがとうね?」


「いや、改めて話す機会なんてなかなか無かったからな、たまたまだけど今日は話す機会が多かったから聞けるかなって」


……そうね、もっと大人数なら私はここまで佐原くんとは話さなかったし、二人きりで観覧車に乗ることも無かったかもしれないわね…


(どこかの誰かさんの策にまんまと引っ掛かったわ…)



「偶然じゃないわ…私も話してみたかったの」


「え?」

長くなってしまったので次も美波視点となります。


今回も閲覧下さりありがとうございます!

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