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21.放課後

一日の授業と帰りのSHRが終わり、何も起きないことにいじけた私は美波にバイトがあると置いていかれ、ゆかりちゃんに宥められながら下駄箱までとぼとぼ向かっていた。



「真紀ちゃん元気だして?明日からお昼はうちのクラスか食堂にしようって咲良と話して来たからさ!明日は一緒に食べようね?」



元気が無いのは噂のせいだと思われてるのかな?それもショックだったのは間違いないんだけど…



「ゆがりぢぁゃん…ありがとうぅぅ…」



自分が情けないのと提案自体はとても嬉しいし明日から楽しみなのと、それでも今日1日うまくいかなかった複雑な気持ちで私はゆかりちゃんに抱きついた


(優しさが染みるわー…)


「感極まりすぎだよぉ…おーよしよし」


咲良ちゃんのハグは良い匂いとかふんわり当たってる女子力にドキドキしたけれど、小柄なゆかりちゃんは抱きつくとすっぽり私の体にフィットして、とても抱き心地が良い…

ゆかりちゃんの首に顔をぐりぐり押し付けながら頭を撫でて貰うの気持ちいい


(はー…癒し!)



「あー…邪魔して悪いんだが…コレお前のだよな?落としたぞ?」


後ろから話しかけられたのでゆっくり振り返ると、黒髪サラサラのイケメン眼鏡男子が何かを持ってこちらを見ていた…


(あ、佐原裕くん(美波の本命)だ)


抱いていたゆかりちゃんを解放して差し出された手を覗いてみると、それは鞄に着けていたはずの私の自転車の鍵だった。つけてた昨日買った花守くん手作りの押し花のストラップとピンクのラバー製キーカバーが私のだったから間違いない!



「わざわざ声掛けてくれてありがとう!コレ無いと大変だったよ!」


「いや、落としてたのが鍵じゃなかったら流石に言えなかったかもしれない…声掛け難かったしな…ま、まぁ気にするな」



鍵を手渡してくれた佐原くんは空いた手で頭を掻きながら言った。気遣いできる格好良い清潔感のある男子!ファンクラブがあるのも納得だなぁ…美波、がんばれ!


するとゆかりちゃんが私の後ろからひょこっと出てきた


「いやぁ、きっと佐裕様(さゆうさま)ならポケットティッシュでも拾ったね!ジュースくらいなら賭けてもいいよ!」


「その左右みたいな呼ばれ方は好きじゃないんだが、速水…あー…俺の名前、佐原裕って言うんだ。佐原でも裕でも良いけど佐裕はやめてくれ…」


「こりゃ失礼!なんか呼びやすかったからさ」


「じゃあ佐原くんで!私は斉藤真紀、よろしく!」


「斉藤な、よろしく。落とし物には気を付けろよ?」


それじゃあ、と佐原くんは一人で下駄箱の方へ歩いていった。

こちらもまたねーと手を振って、少ししてから鞄にストラップと鍵をつけ直した。その様子を見届けてからゆかりちゃんは首をかしげながら話し掛けてきた。


「真紀ちゃん珍しいね?名字呼び嫌いじゃなかったの?」


「名字呼びというより、さん付けが正直あんまり好きじゃないんだよねぇ…美波が気になる人みたいだから名前で呼ばれてるの見たら嫌かなーって。さんをつけられなくて良かった!」


禿げてないのに真似を求められて面倒臭かった前世。この世界ではそもそもそんなネタ無いんだけど、なんか嫌だったんだよね…



下駄箱で靴に履き替え学校を後にし、私はまた自転車を押しながらゆかりちゃんと最寄り駅へ向かった





「そういや真紀ちゃんは部活とかバイトとかするの?何も予定の無い私が聞くのもなんだけど」



(バイトかぁ…)



この前お金使いきったからするべきだよね…欲しいのいっぱいあるし…

バイトと部活の両立はやっぱり難しいかなぁ…


普通なら土日にバイトで稼ぎたい気持ちもあるんだけど、募集してるのって何故か平日ばっかりなんだよね…それも全部週2か週3。平日バイトして土日部活だと買い物とか遊ぶ時間とか無くなるし…



「うーん、バイトしようかなぁ?」


というかするべきだよね、金欠病だし



「あ、それなら花守くんのお花屋が募集するって聞いたけど、狙っちゃう?!」


「え、そうなの?お花屋さんかぁ……うん、そこはやめておこうかなぁ」



目を輝かせたゆかりちゃんの思い付きを断ると信じられないというような目をされた。



「なんで?勿体無いよ!花守くん気になるんじゃなかったの!?」



たしかに勿体無いとは思うし、美波に言ったらきっとスチルがーとか言うんだろうけど…



「好きでもない女の子がバイト先にも追いかけて着いてくるのって嫌じゃない?」



逆の立場だとなんか怖いと思うな…

本人に誘われたならともかく、自分からは…ちょっと行きにくいよねぇ



「あー…たしかに、ずっと一緒って息がつまる人もいるかもねぇ…それじゃあどんなバイトしたいの?」



「どんな募集があるかわからないけど、せっかくバイトなら可愛い制服のある仕事がいいなぁ…!」



これから仕事します!って感じがするからね!可愛い制服のバイトは何か無いかなぁ?



「普通のユニフォームじゃなくて可愛い制服か…それならありきたりだけどウェイトレスとかどうかな?レストラン!確か募集出てたよー」



(ウェイトレスさんかぁ、可愛いかも!)



こうして帰ってすぐに私はバイトを募集していたレストランに電話し、バイトが決まった。


毎週火金!


明日が初出勤だし、がんばるぞー!

閲覧ありがとうございます。


ラブコメ予定なのにラブが遠い…

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