表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/33

19.縄跳びの効果

ブックマークしてくださる方が出てきてくださりとても感謝しています!

自己流の拙い文章ですが、これからも引き続き物語を作り進めていきます。

この場を借りて、ありがとうございます!

攻略対象だろう三谷亮介くんと本当に会えた…のはいい。いいんだけど…



「わ、わた…はぁ…はぁ…も…続けない…よ…はぁ…うぅぅ」



(苦しい…吐きそうまではいかないけど…うううぅ)


食後すぐに縄跳びなんてしてたから自業自得なんだけど初対面でこれは情けない…

提案した美波も目を線にして呆れている様子。言い出しっぺがその態度はどうなのかな!?

肩で息をしながら美波に抗議の視線を向ける。

すると困ったように笑いながら三谷くんが声を掛けてきた。


「とりあえず息整えるなら止まらないでゆっくり歩いた方がいいよ?」


「うぅ、走った後はそう聞くけど…縄跳びでもそうなの…?」


「ウォーキングが辛いなら軽い柔軟体操でも良いけど、急にやめるよりは疲れが残りにくいはず」


「ありがとう…じゃあ柔軟にしようかな…」


(こんな見ず知らずにアドバイスくれるなんて三谷く優しいわー)


美波は…様子を伺っている?


じーっと様子を伺う美波が座ってる階段まで近付き、美波の横に縄跳びを置いてから三谷くんの方を向き体をほぐすように手首足首を回し始めた。

ぐいーっと腕を伸ばしていると、私と三谷くんを交互に見ていた美波が立ち上がって縄跳びを袋に入れ、三谷くんに話しかけた。


「運動に訓しいのね、何かスポーツでもやっているの?」


「ああ、俺はテニス部に入ろうと思ってるんだ!中学もそうだったから。」


「へぇ、そうなの…この学校ってテニスは強いのかしら?」


「県大会までは行くらしいけど…全日本までは進めたり進めなかったり?でも俺は全国大会を目指すから、この1年B組の三谷亮介を応援してくれよな!」


三谷くん、すごいガッツポーズで目が燃えてるように見えるよ…!!そして背景もメラメラしてる幻覚が見える気がする…!!



「三谷くんと言うのね、集会で壇上に立つのを楽しみにしているわ…自己紹介がまだだったわね、私は松田美波と言うの。そこの縄跳びでぐったりしてるのが斉藤真紀よ、どっちもA組。」


美波が私の分まで合わせて自己紹介してしまった。いや、他者紹介じゃんそれ!

呼吸もしっかり落ち着いたから、私は柔軟をやめて三谷くんの方を向いた。



「斉藤真紀だよ、良かったら真紀って呼んで欲しいな!よろしく!」


「美波に真紀な、よろしく!…あ、中学からの先輩に呼ばれてたんだ!そろそろ行くな!」


三谷くんはまたなーとこちらに笑顔を向けながら走り去っていった。




(それにしても…本当に出会えるもんなんだなぁ…)



…縄跳びしただけで。






「ほら、会えたでしょう?」


複雑な気持ちになっていると澄ました顔の美波が確信めいたように言ってきた。


「当たり前のように言ってるけど、自信あったの?」


「真紀が咲良のところに行ってる間に試したから、きっと来ると思ってたわ。縄跳びじゃなくて勉強の方を…ね?」


「え、ズルい!なんで教えてくれなかったの!?」


「あなた、咲良ちゃんのところ行ってくるねーって言い残してすぐ向かっていったじゃない。あの時は確実でもなかったから別にいいかしらと思ったのよ。」


確かに言ったや…それに急いで向かったや…

だって知り合えたとして話すのに時間必要かなーって…無駄に終わったけど…



(ん?でもそれなら美波は誰かと出会ってるんだよね…)



しかも勉強…


ゆかりちゃんのノートを見た感じ、勉強は…




「ほほー…美波は私がまだ会ってない本命の佐原くんと会ったのかな?」



そりゃ私が居ない間に試す訳だ!


ぱちくりと瞬きをした美波は視線を反らした…あ、図星なんですね?


「もう、仕方ないじゃない…別にいいでしょう?廊下に出ても教室覗いても見付けられなかったのだから…」



視線はそのままで拗ねたように口を尖らせてぶつぶつと言い訳のようなものが聞こえる。


普段の落ち着いた美波は頼りになるなぁって思う…けど、こういう照れたような顔はきっと仲良しにならないと見られないんだろうなって思うと、美波の特別になれたようですごく嬉しい!何よりそういうときの美波の方が…



素直じゃないけど可愛いなぁ!

応援したくなる!



そう、私はハッピーエンドを目指すキューピッド…



(これは、佐原くんとやらと出会って可愛い美波に相応しいか見定めねば!)




にやけ顔の私に気付いた美波は口を尖らせ教室にもどるわよ、と言いそそくさと階段を登りだした。

慌てて追いかけて下駄箱までいくと、美波は誰かとぶつかりかけて立ち止まった。その相手はスラッとした女性にモテそうな顔立ちと体型で、ぱっちりとした目をした黄色味のある茶髪のポンパドール女子…




加藤玲奈ちゃん(大本命)だ!!

出会いラッシュですね、乙女ゲー序盤あるある…かな?


閲覧ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ